ここから本文です

宮藤官九郎「自由になれた気がする」

Lmaga.jp 6月17日(金)15時0分配信

「映画らしくすることに無駄な労力を使ってた(笑)」(宮藤監督)

不慮の事故にあった思春期全開の高校生、目が覚めるとそこは地獄だった・・・。宮藤官九郎監督のオリジナル脚本による最新作『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』が、いよいよ6月25日に公開される。主演の長瀬智也が、「こんなに振り切れた宮藤さん見るの初めてだ」と語る渾身の痛快作について、宮藤監督を直撃した。

──監督作として4作目、前作『中学生円山』(2013年)以来、実に3年ぶりとなるわけですが。

ですね。

──ビックリするくらい面白かったんですけれども、本作における宮藤監督の突き抜け方といいましょうか。長瀬さんも監督のことを「ぶっ壊れてました」とか、「こんなに振り切れた宮藤さん見るの初めてだ」というコメントを残してますが、その要因はどこにあったんですか?

今回、最初に話を考えたときから「これは大変な作品だなぁ」と自分で分かったので、準備段階から色んなことを決めていったんですよ。だから、現場でほとんど迷わなかったのが、振り切れたって言われる一番の要因かなぁ。あとは、いちばん大きな美術である「地獄のセット」のイメージが上がったとき、ちょっとワクワクしたんですよ。ここまで舞台がちゃんとできてるんだったら、撮り方も具体的に考えて現場に入りたいなと。なので今回初めて、絵コンテを全部描いたんですよ。

──前作『中学生円山』でも、少し描かれてたみたいですが。

前回は説明しないと分かんないだろってとこだけを描いたんですけど、今回は全部描こうと思って。絵コンテを描くと、スタッフが現場でやるべきことがはっきり分かるんですよね。アングルとかカットとか、映像的なことで悩むことが現場で無かったのは大きいですね。こういう(舞台のような)セットだとカメラも縦横無尽に動けたんで、それも良かったかな。

──『パコと魔法の絵本』などの美術を手掛けた桑島十和子さんによるセットですね。このスタイルというのは、いわゆる舞台的な手法に近いですよね。

そうです、なぜか今までやってなかったんですよね。4作目にして、映画ってものをなんとなく理解したんだと思います。で、映画の常識のなかで、みんなと同じように映画を撮ってたら、そこはいっぱい撮ってる人の方が勝算がありますからね。僕は滅多に映画撮らないから、そこから考えた方が良いかなと思って。

──監督は「大人計画」に所属しながら、脚本家としても活躍されてるのは誰もが知るところで、映画の分野でも、『GO』(2001年)で日本アカデミー賞最優秀脚本賞、『舞妓Haaaan!!!』(2007年)で優秀脚本賞も獲得されている。それでも映画の世界はよく分からない、自身の監督作でもその映画界の常識に合わせようという意識があったと。

3作撮ったことで、自分はこうするべきなんじゃないかっていうのが、やっと分かったというか。今まで、映画のスタッフに教わりながら「こういうもんです」という常識でやってきましたけど、もう、それに従わなくても良いやって。自由になれた気がしますね、はい。

──たしかに今作は、意識としてもはや映画でなくてもいいというか、箍(たが)を外した感じですね。

これまで、映画らしくすることに結構無駄な労力を使ってましたから(笑)。スタッフがみんな映画の人だから、僕がそこに合わせるような形だったんですけど、今回はわりと初めてのスタッフが多かったこともあって、なんとなく見つけた自分のやり方に、みなさんに付き合ってもらった感じが強いですね。

──その監督のやり方を象徴するのが、初めて描いた絵コンテと、舞台のような美術セットだったという。この2つが、スタッフとキャストが監督のイメージを共有する大きなものになったんですか?

そうですね。共通の言語が無い人たちが最初に集まって・・・まぁ、映画って大体そうですけど、そうするとみなさん自分の経験をもとに、「あの作品ではこうだった」となりがちなんですけど、今回は前例がなかったので、最初に東映のスタジオにドラムを2台組んで、それを引き枠(舞台装置)に乗っけてガンガンぶつけて、「できますねぇ」って(笑)。そういうところから始めて。みんな、「意外とこれ、面白いですね」って。片方にカメラ乗せて撮ったりして、やったこと無いことばっかりだったんで、そこでもワクワクして。スタッフは本当、大変だったでしょうが(苦笑)。

1/3ページ

最終更新:6月17日(金)15時0分

Lmaga.jp

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。