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東洋アルミ、シリコンウェハ上のシリコンゲルマニウム層の低コスト形成技術を開発

鉄鋼新聞 6月17日(金)6時0分配信

 東洋アルミニウム(社長・山本博氏)は16日、簡単かつ低コストな世界初の革新的プロセス(技術)採用で、6インチ以上のシリコンウェハ表面上にシリコンゲルマニウム(SiGe)層を形成することに成功したと発表した。同技術は特許申請済み。同社はアルミニウムのパウダー・ペースト顔料、太陽電池用バックシートおよび電極用アルミペーストなどで世界有数のメーカー。

 同技術は従来の印刷技術法を用い、塗布するペースト材料と焼成時の温度管理を工夫することで、6インチ以上のシリコンウェハ表面上に30%超のGe濃度を持つSiGe層を世界で初めて形成した。貫通転位密度は低く、6インチ以上の大面積シリコンウェハ上に10ミクロンまでの厚さを持つ良質なSiGe層を、既存製造方法の約10分の1という安価でつくれる。太陽電池セルの変換効率は現行の26%から30%への向上が見込め、さらには36%への改善が可能だという。
 現技術ではSiGe半導体はMОCVD(有機金属気相成長法)などでつくられるが、有害な液体・ガスが使われプロセスが複雑で高価という課題がある。Ge濃度を上げれば厚み数ナノメートルのSiGe層の形成は可能だが、厚みが数十ナノメートルの場合、貫通転位密度が高くなりデメリットが生じる。
 開発者のダムリンマルワン先端技術本部コアテクノロジーセンター主席研究員は「同技術でSiGe層付シリコンウェハ上に低コストでIII―V族化合物半導体および太陽電池の製造が可能。SiGe層におけるドーパント濃度と種類を制御すれば、シリコンボトムセルとしても使用できる」と話す。
 製造はアルミパウダーの専門工場、日野製造所(滋賀県蒲生郡日野町)のパイロットプラントで行うが、既存設備で十分に対応できる。事業は太陽電池を軸に、将来的にはシリコンゲルマニウム半導体分野での展開も見込む。
 高コストのIII―V族化合物太陽電池はこれまで宇宙用が大半だったが、この革新的技術を使えば結晶シリコン太陽電池の大面積モジュールと同様に、地上に設置する太陽電池モジュールへの応用が可能。ヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造コスト削減も可能となる。次世代通信デバイスおよびエレクトロニクス業界にとり、新たな未来を切り開く契機となる。
 この技術に関し東洋アルミは、国内外の研究機関や企業とも技術提携を進めたい方針だ。

最終更新:6月17日(金)6時0分

鉄鋼新聞