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「昭和電工、アルミ鋳鍛事業の展望」〈照田・喜多方事業所長〉=海外拠点の能力強化支援

鉄鋼新聞 6/17(金) 6:00配信

 昭和電工の喜多方事業所は、アルミ鋳造棒・鍛造品事業「ショウティック事業」の基幹拠点として各種自動車部材をユーザーに供給している。ショウティック事業は新中期経営計画「プロジェクト2020+」において“基盤事業“と位置付けられ、安定した収益貢献と事業の拡大が求められている。同事業のマザー工場でかじを取る照田伸二所長に、足元の環境や中期計画における喜多方事業所の役割などを聞いた。(遊佐 鉄平)

――今期の喜多方事業所の生産計画は。
 「鋳造棒と鍛造品の合計で年2万トン弱を計画している。前年度に比べて2千トン程度の減少となる見込みだが、これは14年から稼働を開始したマレーシア拠点(STM)への製品移管が大きな理由だ」
 「海外拠点がユーザーの現地調達ニーズに応えて拡販を進めている一方で、喜多方は“軽量化“と“環境“をテーマに新たな需要分野、マーケットの開拓を推進していく。特に世界的な燃費規制の高まりを受けて、自動車の軽量化需要は強まる傾向にある。足回り部材をはじめとしてそれらのニーズを取り込んでいきたい」
――喜多方事業所を取り巻く事業環境は。
 「喜多方において生産の大きなシェアを占める自動車コンプレッサーは自動車産業の動きに影響を受ける。国内の自動車生産台数は大きく伸びないと見ているが、輸出向け部材は世界の生産台数の伸びに合わせてまだまだ拡大の余地がある。そうした市場拡大をユーザーとともにキャッチアップしていくことが重要で、そのために我々はユーザーの開発段階から共同で開発に取り組んでいく」
 「足回り部材は、大型品については競合他社がグローバルに事業拡大を進めている。我々はそういったマーケットではなく、まだスチール製が市場の大半を占めている中・小型の軽量化部材を狙っていきたい。コスト面でのマッチングが必要となるため簡単ではないが、軽量化ニーズが高まる中で切り替え需要を取り込んでいきたい」
――喜多方事業所はショウティック事業のマザー工場ですが、具体的な役割は。
 「現在マレーシアに鋳造工場があり、シンガポールとポルトガルに鍛造工場が稼働している。海外拠点の技術レベルや品質などの向上といったサポートが役割の一つ。特に足元ではマレーシアの鋳造工場を独り立ちさせることが最重要課題。現在も常駐の4人に加え常時4~5人が出張ベースでフォローしており、新製品対応や安定運転に向けて全力を挙げている」
――この中計で取り組むべき課題は。
 「ショウティック事業のマザー工場として、海外拠点のサポートをしていきながら新製品開発に取り組み、簡単ではないが年2万5千トンレベルまで生産量を拡大できればいい。そのために何か設備投資をするということは現状では考えていないが、3年程度かけて徐々にレイアウトを変更していく。これまで以上に少量多品種で収益が確保できる製造ラインを実現したい」
――そのほか喜多方事業所が取り組んでいることは。
 「海外拠点の拡充に合わせて人員派遣の規模も大きくなる方向にあるため、喜多方事業所のスタッフが足りなくなる可能性がある。安定操業のための人材育成策として、月に数回OBを講師に招いて若手向け勉強会を開催している」
 「また、アルミ押出事業を手掛ける小山事業所とは事業内容やアクセス面で近い存在にある。人材交流はもちろんだが、試作などで必要となる試験設備などを互いに融通し合うなどの連携を進めている」

最終更新:6/17(金) 6:00

鉄鋼新聞

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