ここから本文です

コラムなどフォーミング製品、値上げ「待ったなし」。母材高の転嫁急務

鉄鋼新聞 6月17日(金)6時0分配信

 ロールコラムや軽量形鋼、角パイプなどフォーミング製品の値上げが急務となっている。母材となる薄板価格の値上がりにより「待ったなし」の状況。足元では主な需要分野である中小建築物の需要が停滞し、販売価格引き上げにメーカーが苦慮する状況にあるが、今下期以降は中小物件も含めた需要の増加が見込まれている。僚品のH形鋼で値上げが実施される中、陥没状態にある販価改善と素材価格などコストアップ分の転嫁が急がれる。

 ロールコラムは物流倉庫や工場建屋、店舗など主に中小鉄骨造の柱材として幅広く使用される。その価格水準は流通の切断~開先の加工コストなどを反映し、僚品のH形鋼と合理的な価格差をもって取引されてきたが、一時はH形鋼との値差がトン1万円を割り込むなど「異常事態」となっていた。メーカー・流通の連携による価格改善努力によってこの状況は脱したものの、依然販価の陥没状態は続いている。
 国土交通省の建築着工統計によると、中小建築物の需要動向を示す2千平方メートル未満の鉄骨造着工床面積は4月が前年同月比7%減となるなど、足元の需要は停滞している。こうした状況下、高炉メーカーは素材となる薄板価格の値上げを表明しており、需要の伸び悩む中で販価是正に取り組む厳しい環境にある。
 ただ、ロールコラムをめぐっては450~550ミリ角の大型サイズで旺盛な需要が続いている。2015年度の内需は前年並みの47万~48万トン程度で、400ミリ以下のベースサイズは同1割程度減となったものの、大型サイズは同15%程度増加した。この傾向は今年度も続いており、大型サイズについては前年以上に動いているもようで「従来、中小型サイズと大型サイズの需要割合は約8対3だったが、現在は約6対4となっている」(メーカー筋)との声も聞かれる。
 高炉メーカーによると今年度の鉄骨需要は前年比ほぼ横ばいの500万トンの見込み。足元では経済の不透明感から中小案件を中心に設備投資をちゅうちょする向きもあるが、超高層ビルなど大型案件が鉄骨需要に占める割合は1~2割程度にすぎず「建材分野については4~5年前に比べれば決して悪い状況ではない。まずはリオオリンピックや選挙が終わればムードが変わってくるのでは」との見方も出ている。
 堅調な需要が見込まれる中で製品の安定供給が求められるが、母材価格などの値上げ幅は大きく自社努力で吸収できる限界を超えている。コラムメーカーは販価改善のタイミングを見極めている状況にあるが、一部メーカーでは既に今月から陥没価格是正に動いており、7月以降での本格的な素材価格転嫁の方針を打ち出している。今後の需要増加へ向け、再生産可能な価格水準の実現が急がれる。

最終更新:6月17日(金)6時0分

鉄鋼新聞