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ゴマを南砺の特産に 富山大理学部・日の出屋製菓が試験栽培

北日本新聞 6月17日(金)0時45分配信

■研究や商品開発に活用

 富山大理学部(中村省吾学部長)と日の出屋製菓産業(南砺市田中・福光、川合雅之社長)は、同市立野原東(城端)の畑でゴマの試験栽培を共同でスタートさせた。同社は収穫したゴマをせんべいなど新たな商品開発に利用する。理学部は販売収益の一部をゴマの系統保存に活用するとともに、研究を通して安定した栽培法を確立することで将来的な県内でのゴマ特産化につなげたい考えだ。

 富山大理学部は、名誉教授だった故小林貞作さんが長年ゴマ研究に携わった遺産として、実の形や成分などが少しずつ異なる約千系統のゴマを保存している。種は長期保存できないため5年おきに栽培を繰り返しているが、保存に対する文部科学省の助成がなくなったこともあり、共同で取り組む民間業者を探していた。

 財務省貿易統計によると、日本の2015年度のゴマ輸入量は17万4013トン。一方で、同大の山本将之理学部講師によると国内生産量は多くて200トン程度とされている。

 流通している大半が外国産という状況の中、南砺市でのゴマ栽培を実現させ、商品を提供できないかと模索していた日の出屋製菓産業が理学部の呼び掛けに応じた。共同で「ゴマプロジェクト」と銘打った栽培事業に取り組む覚え書きを4月に交わした。理学部が農業分野で民間と連携するのは初めてだという。

 今月15日に同社の従業員らが、理学部から種を譲り受け発芽させた黒ゴマの苗4800株を約千平方メートルの畑に植えた。地元農家の協力も得て有機栽培し9月に収穫する。商品は本年度中に開発し、産学連携品としてPRしながら販売する計画。5年間は栽培を続け、結果が良好なら作付け面積を拡大して産業化する。

 16日は中村学部長や山本講師、増田恭次郎元客員教授、同社の川合声一会長らが畑を視察した。川合会長は「南砺に活力を生む大きなチャンス。採算を度外視してでも継続して取り組みたい」、中村学部長は「学術振興と富山、南砺の地域振興につなげたい」と話していた。

北日本新聞社

最終更新:6月17日(金)0時45分

北日本新聞