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車いすの主婦「地域の縁側に」、来春に念願の交流施設 津幡の兼氏さんが開業

北國新聞社 6/17(金) 3:06配信

 2001年に難病を患い、翌年から車いす生活を余儀なくされた津幡町井上の荘5丁目の主婦兼氏(かねうじ)浩子さん(47)が来春、長年の夢だった複合型の交流施設を町内に開業する。カフェやリハビリステーションなどを備え、高齢者や障害がある人も気軽に集い、活躍できる交流拠点を目指す。兼氏さんは「困ったことがある時に相談しに行ける『地域の縁側』のような場所にしたい」と意気込んでいる。

 「木のおうち」と名付ける施設は、延べ床面積750平方メートルで、接骨院や障害児向けの放課後デイサービスなども備わる。全面バリアフリーで、障害者、健常者を問わず誰でも特技を生かした教室を開けるようイベントスペースも設けられた。

 もともと看護師として働いていた兼氏さんは01年、脊髄の病気に突然かかった。最初は左足の膝下がしびれていただけだったが、病状が悪化し、翌年には両足が動かなくなった。

 ショックで生きる希望を見失い、泣き続けていた兼氏さんを救ったのは当時、小学生の長女奈々さん(22)の言葉だった。「歩けなくてもママはママなんだから」。奈々さんの言葉を聞いた兼氏さんは「足が悪くても自分は自分だ。障害は個性の一つで、特別なことではないんだ」と考えるようになり、家族やほかの入院患者から応援されてリハビリに取り組んだ。

 退院後は看護師に復職し、出産を機に退職した後も、県内各地で講演やボランティア活動などを行ってきた。07年にはボランティア組織を立ち上げ、冬の雪かきや電球の交換など、健常者では気付きにくい、障害者や高齢者のささいな悩みを気軽に相談できる環境をつくってきた。

 兼氏さんは10年ほど前から、ボランティア活動で人の役に立てたという思いから自信を取り戻した自分の経験を受け、住民同士が特技を生かして、互いに支え合う場をつくりたいと考えるようになった。

 昨年、兼氏さんの思いに感銘を受けた東京の不動産運用会社が協力し、施設計画が実際に動き始めた。施設は津幡町中橋に来年4月開業予定で、兼氏さんは「誰もが自分にしかできないことを持っている。それを見つけ出す手助けをしたい」と意気込みを語った。

北國新聞社

最終更新:6/17(金) 3:06

北國新聞社