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倒産企業の負債総額、5月として2000年以降最小 日本政策金融公庫の収支も改善し、初の黒字に

MONEYzine 6月18日(土)14時0分配信

 帝国データバンクは6月8日、5月の全国企業倒産集計を発表した。発表によると、5月の倒産件数は652件で前月比1.6%増加したものの、前年同月比では8.0%減少した。前年同月を下回ったのは3カ月連続で、5月としては2000年以降3番目の低水準となった。一方、負債総額は1,060億9,000万円で前月比7.2%の減少、前年同月比でも11.0%減少した。前年同月を下回ったのは5カ月連続で、5月としては2000年以降最小を記録した。

 負債の規模別でみると、負債5,000万円未満の倒産が全体の60.4%を占め、2000年以降で最も高い構成比になった。資本金別では、個人経営と資本金1,000万円未満の倒産が構成比63.2%を占め、2013年12月の60.5%を上回って2000年以降で最も高い構成比になった。こうした規模の小さい倒産が増える一方、負債10億円以上の倒産は19件で、3カ月連続で前年同月比で減少した。大型倒産が低水準となっていることも、負債総額が減少傾向にある要因のようだ。

 このように企業倒産が減少傾向にある中、政府が出資する日本政策金融公庫の収益が改善している。日本政策金融公庫が6月2日に発表した決算報告によると、2016年3月期は純利益が505億円で2008年の発足以来初めて黒字になり、2015年3月期のマイナス1,347億円から、大幅に収益が大幅に改善した。

 日本政策金融公庫の主な業務は、起業する小規模事業者や教育資金を必要とする人へ融資を行う「国民生活事業」と、農林水産業者向けに融資を行う「農林水産事業」、中小企業に長期の事業資金を融資する「中小企業事業」などがある。2016年3月期の収支は、国民生活事業の純利益は256億円で前期の794億円より減少、農林水産事業は前期同様に損益が0億円だった。

 一方、中小企業事業の純利益は359億円で、前期のマイナス1,993億円から大幅に改善した。日本政策金融公庫は、全国の信用保証協会が中小企業の借入債務を保証する際に保険契約を締結し、企業が倒産した際に保証協会へ保険金を支払っている。2016年3月期は企業倒産が低水準で推移したため、こうした保険金の支払いが減少して収益が改善した。

 日銀による金融緩和で企業倒産は減少傾向にあるものの、国内景気は力強さに欠けている。今後は消費税増税延期が国内消費に与える影響や、政府が計画している経済対策の効果に期待したい。

最終更新:6月18日(土)14時0分

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