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VAIO社長「ウィンドウズ搭載スマホの市場を創出する」

ニュースイッチ 6月18日(土)10時20分配信

経営統合破談「量を追わず、安売りもしない」

 ソニーから独立後、パソコン事業と電化製品などの受託生産事業を2本柱に独自の成長を図ってきたVAIO(長野県安曇野市)。独立から3年目を前に、大田義実社長は「今期中に第3の柱を立ち上げる」と、新たな段階に入ることを明らかにした。今後の展望を聞いた。

 ―第3の柱とは。
 「2017年5月期の後半に、ベンチャー企業と取り組む受託ビジネスのプロジェクトの中から立ち上げたい。受託といってもベンチャー企業とは設計初期段階から協力している。一方、受託ビジネスの売上高をパソコンと同規模に引き上げる計画は、1年前倒しとなる17年5月期中に達成できそうだ。大手からの引き合いも多く、増員や配置転換で担当者を増やす」

 ―全社の業績回復は進んでいますか。
 「約束通り、16年5月期の営業損益は黒字に転換する見通しだ(前期は20億円弱の赤字)。パソコンは販売台数が前期比2倍となり、受託事業もスピード感が出てきた。ソニー時代に他人任せだったことを自分たちで取り組んでおり、すぐに派遣社員を増やすなどの『大企業の当たり前』を止めた。こうした意識の変化が大きい。自前の営業部門を持ち、多能工化を進めたことで回復できた」

 ―一時、富士通などとのパソコン部門統合案が出たのは、単独では生き残りが難しいからではないですか。
 「日本のパソコンメーカーの過去の失敗は、量販店を広げ過ぎたことにある。当社は販売店数を絞り、量を追わず、安売りもしない。機種ごとに事業計画を立て、在庫や限界利益、返品率などの指標を毎月管理してダメならすぐに止める。世界シェアが低いと部品価格は高くなるが、商品・サービスの作り込みでカバーできる。これは当社の業績回復の結果から明らかだ」

 ―4月に発売したウィンドウズ搭載スマートフォンの見通しは。
 「パソコンとの親和性の高さに期待している。特にパソコンの持ち出しを禁止する企業は(当社のウィンドウズ搭載スマホを使えば)働き方を変えられる。アンドロイド搭載機種の対抗馬ではない。これから市場を創出する」

【記者の目・独自路線へブランドに磨き】
 かつてのVAIOといえば、持つだけでかっこいいデザインや先進的な機能が特徴で、ブランド力や消費者への期待感を高めていた。現在のパソコン製品は利便性を重視した構造となったが、基本的な考え方は変わらない。今後、パソコンだけに頼らない独自路線を進む上でも、VAIOのブランド力や強みを磨くことがカギとなる。
(聞き手=梶原洵子)

最終更新:6月18日(土)10時20分

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