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千代尼節の原型継承 白山の保存会、廃れた「口説き節」復元

北國新聞社 6/18(土) 3:20配信

 千代尼節保存会(白山市)は、藩政期の地元の俳人千代女ゆかりの民謡「千代尼節」の原型を継承することを決めた。もともと千代尼節は口説き節と本唄で構成されている。時代とともに口説き節が廃れ、保存会はこれまでは本唄のみを伝承してきた。

 千代尼節は、大正時代末期に遊郭があった同市辰巳町で生まれたお座敷踊り。千代女の句「朝顔や 釣(つる)瓶(べ)とられて もらい水」を題材としている。

 保存会所有の資料には、本唄の前に説明調の文章が掲載されており、千代尼節の解説文と考えられていた。このため、保存会は2013年の発足以来、本唄の踊りと演奏を受け継いできた。

 一昨年、保存会の北川邦昭会長(75)が1998年4月5日収録の映像を確認したところ、本唄の前に唄と三味線を演奏していたため、説明調の文章が固有のメロディーを持つ「口説き節」であることが分かった。

 口説き節の楽譜や踊りの資料は残っていない。98年収録の映像の中で三味線を弾いていた越原政子さんの弟子の協力を得て楽譜を再現、日本舞踊家の藤間勘佐萠さんが短冊に文を書く動作や酒をつぐ動きを盛り込んだ振り付けを考案した。

 保存会員5人が継承に向けて稽古に励んでいる。会員の油谷智恵子さん(74)は「踊り慣れた民謡と違って振り付けが細やかで難しい。情緒のあるしっとりとした踊りなので、しっかり習得していきたい」と話した。

 北川会長は「もう10年早く調べていたら、当時を知る人から多くの情報が得られただろう。残された情報をもとに少しでも復元させて、しっかりとした資料として後世に残したい」と話した。口説き節を入れた千代尼節の披露は、来年度以降を予定しているという。

北國新聞社

最終更新:6/18(土) 3:20

北國新聞社