ここから本文です

[近畿大会]滋賀予選で自信つけた比叡山、全国出場の一条に勝利

ゲキサカ 6月18日(土)21時5分配信

[6.18 近畿高校選手権1回戦 一条高 1-2 比叡山高 新町公園]

 平成28年度全国高校総体「2016 情熱疾走 中国総体」サッカー競技(広島)の近畿各府県の予選で上位に入った16校によって争われる「第69回近畿高校サッカー選手権大会」が18日、奈良県で開幕。地元第1代表の一条高と比叡山高(滋賀2)の一戦は、2-1で比叡山が勝利した。比叡山は準々決勝で、東海大仰星高(大阪3)と対戦する。

「自分たちのサッカーをやれば、絶対に勝てると思っていた」。試合後、主将MF川崎理輝がそう言い切ったように、走りと粘り強さを全面に押し出す比叡山がらしさを貫き、白星を手繰り寄せた。試合開始と共に徹底した守備ブロックからのカウンターで比叡山が主導権を握ると前半2分には、左サイドを上がったDF北林克優のパスがゴール前へ。右サイドから中に絞ったFW廣原匠が右足でゴールを狙ったが、惜しくも枠の右に逸れてしまう。5分にも自陣でのボール奪取から廣原が左サイドを抜け出し、中央のMF高間翔介、川崎とパスを繋ぎ、ラストはPA左のFW並松怜音へと渡ったが、シュートを打ち切れない。7分にもMF蒲生光一のスルーパスから廣原が決定機を迎えたが、一条GK本山善敏に阻まれてしまう。

 ゴールこそ奪えなかったが、「ボールを奪って初めのパスは前線につける。前線に入ったらそこを起点に、2人、3人、4人とドンドン追い越していく。前の人数が相手より多いシーンが多々あったと思うので、狙い通り」(林孝紀監督)な比叡山に対し、一条はピッチ状態に苦戦し、思うようにパスが繋げず。守備も「セカンドボールを拾う回数が相手の方が多かった」(DF鈴木貫生)と力を発揮できない。

 それでも徐々に一条がペースを掴むと、15分には右サイド低い位置からゴール前に入れたクロスをFW竹島玲太が合わせたが、比叡山DFに当たってCKに。27分には自陣左まで引いて受けたFW小池竜雅が右サイドへ大きく展開。フリーで受けたMF小里侃矢がPA右への侵入を図ったが、素早く追いかけた北林に行く手を阻まれた。

 両者、無得点のまま迎えた後半も先に仕掛けたのは比叡山。まずは6分、左サイドからのパスがピッチを横断し、PA右のMF仲川剣太郎へ。落ち着いてゴール左隅を狙ったが、ポストに当たると、こぼれ球も一条DFにクリアされてしまう。均衡が崩れたのは直後の7分。中央でボールを持った廣原が左サイドの仲川へパス。リターンを少し遠めからも思い切りよく右足を振り抜いた一撃がゴール右下に突き刺さり、比叡山が先制した。

 16分には反撃を狙う一条にもチャンスが。自陣中央を持ち上がった鈴木貫の縦パスをMF岩本修平が相手エリア中央で受けると、素早く右前方のスペースへ。受けた小里がドリブルからゴールを狙ったが、シュートは外側のサイドネットへ外れてしまう。このピンチを切り抜けた比叡山は素早くGK和田優樹が前線へ展開。仲川を経由してPA左に転じると、最後は蒲生のシュートがゴール右上に決まり、点差を広げた。一条も31分に小池が岩本との連携からゴール前を切り崩し、1点を返したが反撃及ばずタイムアップ。比叡山が準々決勝へと駒を進めた。

 比叡山は滋賀県予選で3年ぶりとなる決勝進出を達成。決勝戦では、綾羽高相手に粘り強い戦いを見せながらも延長後半終了間際に失点し、0-1で敗れて初の全国行きを逃した。「めちゃくちゃ悔しかった」(川崎)ものの、それ以上に大きな収穫を得たのは確か。「綾羽さんは能力高い選手が揃っているのでボールを持たれるのは分かっていた。それでも、うちらしくかわされても何度も追ったり、粘り強さを発揮できた。また、綾羽さんとは2年前の1年生大会で、0-6で負けた相手だったので、点差を詰められたことも選手たちの自信に繋がったと思うし、運動量と粘り強い守りをベースにするといううちの方向性が固まった」と林監督は口にする。また、川崎は「最後の最後で粘ってシュートを打たせない。簡単にフリーでシュートを打たせない部分など守備に関しては成長したと思う」と振り返る。

 今回は3年ぶりの近畿大会出場。高校に入ってから公式戦で滋賀県外のチームと対戦するのは初めてという選手ばかりだったが、臆することなく戦い、掴んだ勝利によって県予選で得た自信が更に増したことは間違いない。準々決勝以降も「うちより、はるかに強いチームばかり。引いて守るのではなく、前からアグレッシブに奪いに行って、攻撃では人数をかけて攻める。うちらしさを研ぎ澄ませていければ」(林監督)と比叡山スタイルでの勝利を誓った。

 一方、全国総体への出場権を持つ一条はまさかの初戦敗退。しかし、前田監督は「県内の1対1と違って、県外のチームと対戦すると1対1で破れない相手が多いことが改めて分かった。県予選決勝の郡山高戦でも、相手の個人がきっちりしていて今日と同じように1点しか獲れなかったので、これから1対1を強化しないといけない。練習をするための材料になるので、ネガティブには捉えていない」と前を向く。県外とのチームと対戦できたことを前向きに捉えるのは主将の鈴木も同じ。「前半は相手を自由にさせ過ぎていたので、ハーフタイムには『全国で戦うために後半はもっと奪いに行って、1対1で勝負しても良いんじゃないか』と話をした。それで、行こうと言って失点したのは奪う力1対1の力が足りないということ。全国までに修正したい」と更なる成長を誓った。

[写真]先制点を奪った比叡山MF廣原が応援団に駆け寄る

(取材・文 森田将義)

最終更新:6月18日(土)21時5分

ゲキサカ