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車いす・パーソナルモビリティーも自動運転へ

ニュースイッチ 6月19日(日)9時28分配信

ベンチャーや大手自動車部品メーカーなど、自動ブレーキや追走機能を開発

 電動車いすや搭乗型移動支援ロボットに衝突回避自動ブレーキシステムなどの「自動運転」機能を採用する動きが広がりつつある。東京五輪・パラリンピックが開かれ、これら「パーソナルモビリティ」の普及が期待される2020年までに実用化を目指す。この分野では各社がこぞって参入しており、激しい競争が予想される。安全性など機能面で差別化し、国内外から注目を集めたい考えだ。

 砂利道やある程度の段差も進める電動車いす「WHILL(ウィル)モデルA」を販売するウィル(横浜市鶴見区)。1―2年後の実用化を目指してパナソニックと衝突回避システムを共同開発している。「自動車と違って前方だけでなく、左右から来た人間にも注意を払う必要がある」(パナソニック)ことが開発上の難しさだという。

 年内には「二人乗りタイプ」も投入予定。公道での走行は許可されていないが、空港や商業施設などの私有地では使える見通しだ。

 アイシン精機が試作した4種類のモードに変形する小型電動モビリティー「ILY―A(アイリーエー)」には自動ブレーキ機能が搭載されている。規制緩和特区でこのようなモビリティーを使えるようになったとしても、「事故があれば規制が後戻りしかねない」(アイシン精機)ことから、安全面の配慮が欠かせない。今後は段差や空き缶のような障害物も認識するよう改良する方向だ。さらに先導者を自動で追随するなど、「知能化」を進める構想もあるという。

 ウィルの二人乗りタイプやアイシン精機の「自動隊列走行」機能は、大きめの荷物も一緒に運べるようにする可能性があり、空港などで使う際に利便性が高まりそうだ。

 政府は20年までに成田空港や羽田空港にロボットなどを多数導入した「ショーケース」を設ける構想を持つ。次世代電動いすや移動支援型ロボットも対象となる見込みだ。

 ロボット特区が全国各地で設置されつつある中でも、「空の玄関」である空港は訪れる人が桁違いに多く、そこでの体験が訪日客に深い印象を与えることから、ショーケースの「一等地」と位置づけられている。

 移動支援ロボットを開発中のある自動車メーカー関係者は「(採用先として)空港に一番興味がある」と明かす。成田空港や羽田空港での採用が狭き門となりつつある現在、人工知能などを搭載した「スマート」なモビリティーの登場が相次ぎそうだ。

最終更新:6月19日(日)9時28分

ニュースイッチ