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[近畿大会]競争激化の神戸弘陵は価値ある大会に、敗れた近大和歌山も全国総体へ向けて手応え

ゲキサカ 6月19日(日)23時29分配信

[6.19 近畿高校選手権準々決勝 神戸弘陵高 1-0 近大和歌山高 新庄健民]

「第69回近畿高校サッカー選手権大会」の2日目が19日、奈良県内で行われた。準々決勝で激突した神戸弘陵高(兵庫1)と近大和歌山高(和歌山1)の試合は、前半19分にFW小川文也が奪った得点によって、神戸弘陵が1-0で勝利した。

 2年ぶりの全国総体出場を狙ったものの、兵庫県予選決勝で滝川二高にPK戦で敗退して涙を飲んでからわずか2週間、「選手権予選の決勝で、(滝川二を)3-0で倒す」(DF谷後滉人)と新たなスタートを切った神戸弘陵が上々の試合運びを見せた。最初のチャンスは前半7分。ロングボールで背後を狙われた所をDF原拓海が冷静に処理し、傍にいた左SBの野中歩真にパス。素早く相手DF裏にロングボールを返すとフリーで抜け出したFW村山健がゴールを狙ったが、GKの正面に終わった。

 以降も神戸弘陵が後方からのボール回しでチャンスを伺ったが、近大和歌山も負けてはいない。ここ数年、県予選を突破できず和歌山県勢以外のチームと公式戦で戦ったことはなかったが、「県内のチームとより、フェスティバルなどで県外のチームと対戦した時の方が良いゲームができる」(DF九鬼拓己)と物怖じせず。自陣でのパス交換から中央を上下動するMF玉置大起、FW濵野倖輔とサイドを効果的に使いながら、見せ場を作った。14分にはDFラインでのボール回しで左右を揺さぶり、九鬼が右前方に浮き球を配球。勢いよく上がったDF秋山博紀がPA右外でのトラップからPAへの侵入を試みたが、谷後に拒まれ、シュートを打てない。近大和歌山は以降もゴール前まで侵入しながら、シュートまで持ち込めずに時間が過ぎていく。

 試合が動いたのは19分。神戸弘陵が自陣でのボール奪取から引いて構えた小川にクサビを入れると素早くパスを右前方のスペースに展開。反応した村山がPA右までドリブルで持ち込み、シュートを狙った。「昨日もビッグチャンスを作っていたけど、シュートが浮いてしまって枠に入らなかった。今日は抑えたシュートを打っていけと伝えていた」(谷純一監督)という一撃はGKの正面に終わったが、小川がファンブルを逃さず、ゴールネットに押し込んだ。先制点を機に攻撃のテンポが上がった神戸弘陵は、33分に相手エリア中央左寄りでFKを獲得する。フワリとゴール前に入れたボールのこぼれをMF安達敬祐が拾って、PA左を仕掛けたがDFがブロック。さらに素早く村山が奪い返し、ループシュートを狙ったが、わずかにゴールの上に逸れた。

 後半も神戸弘陵はこれまでBチームでプレーしてきた3年生に試合経験を積ませるべく、積極的に交代カードを切りながらも、落ち着いたボール回しで試合の主導権を握った。途中、谷後がCBから本職のボランチに移動してからは、DFラインで慌てる場面も見られたが、失点には至らず。攻撃ではフレッシュな選手が見せ場を作る。後半18分にはクリアボールが左前方に渡り、途中出場のMF高久保雄飛が中央とのワンツーでサイドを突破。中に絶好のクロスを入れたが、わずかに合わない。32分には谷後が左へ大きく展開。MF操希翔からフォローに入ったDF木村俊文がクロスを入れると、最後はFW神園拓巳が頭で合わせたが、枠を捕えることができずにタイムアップを迎えた。

 神戸弘陵は続いて戦った準決勝で東海大仰星高(大阪3)に0-11で敗れたものの、今大会は3試合を経験し、目標として掲げた「(Bチームの)県リーグで出ている選手に経験を積ませて、チーム力を上げる」(谷純一監督)という狙いは達成できたと言える。中でも一番のアピールに成功したのは決勝点を奪った小川。総体予選はスタメン組ではなく、メンバーから外れることもあった選手だが、初戦の大阪学院大高(大阪1)戦でも決勝点をマークした。これまでのレギュラーといえど、選手権予選へ向けて安泰とは言えない。「昨年もそうですけど、うちは近畿大会からグッと伸びてくる選手が多い。伸びてきている選手を見逃さないことと、メンバーを固定しすぎずに勇気を持ってチャンスを与えることは今年もチャレンジしたい」と谷監督が口にしたように、登録メンバー入りを争うサバイバルを前に、価値ある大会だったのは間違いない。

 対する近大和歌山もシュート0本で敗れはしたが、「繋いだりする部分はある程度、自信を持てたと思う」と藪真啓監督が話したように手応えを得る試合だった。守備に関しても「最初はどうかと心配していた。相手のスピードに対応するのに時間がかかったけど、対応してくれたと思う。ちょっとの隙を与えるとシュートを打たれるのは全国常連クラスの神戸弘陵さんならでは。インターハイに出る前に選手たちは身を持って怖さを知ってくれたと思う」。

 今年は就任3年目を迎えた藪監督と共に選手が経験を積んでいった勝負の年。これまでも全国が見えるところまで進みながらも、大事な試合で緊張から力を発揮できず涙を飲んできたが、今回の総体予選決勝で藪監督は激励するような声かけをしていた以前までとは違い、「負けても死なへん。思い切ってやってこい」と鼓舞し、選手たちが本来の力を出せるように努めたという。結果的にノビノビとプレーできたことが全国行きに繋がっただけでなく、今大会も良さを継続し、初戦の香芝高戦では2得点。この日も無得点に終わったものの、ネガティブな試合内容ではなかった。全国での目標は「思い切りやろうと選手に言っている僕が思い切りのないことを言っても仕方ない。当然、優勝を狙っていく」(藪監督)。持ち味を出せれば、全国でも戦えるだけの自信はある。今大会の経験をまた力に変え、目標に向けてまい進するつもりだ。

[写真]決勝点を奪った神戸弘陵FW小川がガッツポーズ

(取材・文 森田将義)

最終更新:6月19日(日)23時29分

ゲキサカ

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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