ここから本文です

担当スカウトが語る広島・鈴木誠也の獲得秘話

THE PAGE 6月21日(火)12時1分配信

 広島の鈴木誠也外野手(21)が神がかり的な活躍でブレイクしている。17、18日の交流戦のオリックス戦で2試合連続のサヨナラアーチ。19日の同カードでは決勝アーチを放ち、連日お立ち台に指名されて「最高です」と雄たけびを挙げた。交流戦の個人成績は、ロッテのデスパイネと並び、打率.381が3位、4本塁打、13打点である。チームも6連勝。セ・リーグで唯一、貯金を作って首位に立つカープ旋風を巻き起こしている原動力の一人である。

 2012年のドラフトで二松学舎大付から2位指名された入団4年目。
 鈴木の担当は尾形佳紀スカウトだった。

「嬉しいですね。2連続サヨナラホームランは凄すぎますが、でも驚きはないですよ。これくらいやれる素材でした。本人の努力が、そこにプラスされたのでしょう。根っからの野球小僧でね。一緒に新幹線で移動していたときも、ずっとユーチューブで野球の映像を見ているような男です。まだまだ、ここからですよ」

 今春キャンプで鈴木がハムストリングスを痛めたときは、落ち込んだ様子で電話があったという。
「しょうがない。焦らず治すことに集中しろ。おまえの力があればレギュラーになれるんだから」
 尾形スカウトは、そう励ましている。
 
 尾形スカウトは、二松学舎付の1年秋から鈴木をマークしていた。
「球速は、140キロ後半くらい出て凄いボールを投げていた。1年の秋からは、最初、ピッチャーとして追いかけていたんです」
 だが、次第に、その走力、通算43本を放ったパンチ力に目を奪われるようになる。

「50メートルが5秒台。走力もある。体に力があるのでバッティングではボールを飛ばす。一塁もやっていましたが、野手としても面白いなとは考え始めました」

 いわゆる大谷・藤浪世代だ。

 川端順編成部長も2012年のドラフトをこう振り返る。
「あの年は、1、2位は投手、あとは将来性のある野手をドラフト戦略として考えていたが、森、増田をクジで外したので将来性のある野手を上位指名した。外れ外れで高橋、肩も走力も兼ね備えていた鈴木を野手として2位で指名した。他球団の動きも耳に入っていたので2位でいかないと取れないと考えていました」

 広島はあえて大谷、藤浪をクジで外すリスクを避けて、1位では単独指名濃厚と見られていた東福岡の左腕、森雄大を入札した。だが楽天と競合してクジに敗れ、続いて外れ1位でNTT西日本の増田達至を指名したが、これも西武と競合して外してしまう。

 結局、甲子園出場経験のある龍谷大平安の高橋大樹外野手(22)を外れ外れ1位で指名して、鈴木は2位で指名した。巨人が執拗に追い続けていたため、3位まで遅らせると巨人に獲られるのでは?という懸念があったという。

 鈴木は、甲子園出場経験はない。最後の夏は準々決勝で成立学園に敗れた。ネット裏に巨人、楽天、西武らのスカウトが揃っていたが、担当の尾形スカウトは、「もし甲子園に出ていたら、活躍したでしょうし2位では獲れなかったかもしれません」と振り返る。
 もしクジで森か増田を指名できていれば、鈴木を指名できたかどうかもわからない。
 これも運命のイタズラかのかもしれない。
 

1/2ページ

最終更新:6月21日(火)13時12分

THE PAGE

スポーツナビ 野球情報

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

暗闇で光るサメと驚くほど美しい海洋生物たち
波のほんの数メートル下で、海洋生物学者であり、ナショナルジオグラフィックのエクスプローラーかつ写真家のデビッド・グルーバーは、素晴らしいものを発見しました。海の薄暗い青い光の中で様々な色の蛍光を発する驚くべき新しい海洋生物たちです。彼と一緒に生体蛍光のサメ、タツノオトシゴ、ウミガメ、その他の海洋生物を探し求める旅に出て、この光る生物たちがどのように私たちの脳への新たな理解を明らかにしたのかを探りましょう。[new]