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県民大会 翁長知事あいさつ全文

沖縄タイムス 6/20(月) 6:17配信

 ハイサイ、グスーヨー。チュウガナビラ。沖縄県知事の翁長雄志でございます。炎天下の中、このように多くの県民の皆様方がご結集いただきましたことを心より感謝を申し上げます。今回の事件によってお亡くなりになられた被害者のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族に対し心から哀悼の意を表します。
 そしてこのような非人間的で女性の人権を蹂躙(じゅうりん)する極めて卑劣な犯罪は断じて許せるものではなく、強い憤りを感じております。
 先日、被害者が遺棄された場所に花を手向け、手を合わせてまいりました。心の底から「あなたを守ってあげることができなくてごめんなさい」という言葉が出てまいりました。21年前のあの痛ましい事件を受けての県民大会で、二度とこのような事故を繰り返さないと誓いながら、政治の仕組みを変えることができなかったことは、政治家として、知事として痛恨の極みであり、大変申し訳なく思っております。
 先月、安倍(晋三)総理にこの事件について抗議した際に、沖縄県知事として県民の生命と財産、尊厳と人権、そして将来の子孫の安心と安全を守るために日米地位協定の見直しを強く要望し、運用改善による対応では限界であることを沖縄県民は等しく認識していることを伝えました。
 このような凶悪事件が継続して発生したことは、広大な米軍基地がある故であることも改めて強く申し上げました。しかしながら、非人間的で凶悪な事件が明らかになった直後の日米首脳会談であったにもかかわらず、安倍総理は日米地位協定の見直しに言及せず、辺野古移設が唯一の解決策であるとおっしゃっております。この問題を解決しようとする先に、いかに大きな壁が立ちはだかっているか。私たちは思いをいたさなければなりません。
 私たちは心を一つにして、強い意志と誇りを持ってこの壁を突き崩していかなければなりません。今日の日を改めての決意の日にし、全力で頑張っていこうではありませんか。
 さらに安倍総理には、沖縄は戦後米軍施政権下で、当時の高等弁務官から「沖縄の自治は神話である」と言われたこと、総理は常々「日本を取り戻す」とおっしゃっていますが、この中に沖縄は入っているのか。現在の日米地位協定の下では、米国から「日本の独立は神話である」と言われているような強い思いを感じていることを伝えました。
 昨年に引き続き、ワシントンDCに行き、新辺野古基地建設が環境問題をも含めて大変厳しいことを、連邦議会、有識者会議、そして米国の副大統領や駐日大使を務めたモンデール氏に訴え、しっかり説明をいたしました。米国でお会いした方々も、この1年間工事がストップしていること、裁判の和解勧告でも、国に対して厳しい判断が下されていること。安倍総理がオバマ大統領に急がば回れと説明したことにも注目をしており、懸念を示しておりました。
 数日前には有識者会議のメンバーの方が、辺野古唯一では問題が解決しないこと、それでなくても抑止力や地政学上の問題はクリアできることを提言されております。少しずつではありますが、着実に前に進んでいることを感じております。
 安倍総理や菅(義偉)官房長官は「普天間飛行場は世界一危険だ」と何度も言及しておりますが、私が「本当に新辺野古基地ができなければ、世界一危険な普天間飛行場を固定できるのか」と何回も問い掛けましたけれども、一言も発することはありませんでした。政府が普天間飛行場の周辺住民の生命・財産を守ることを優先にするならば、辺野古移設の進捗(しんちょく)に関わりなく、残り3年を切った普天間飛行場の5年以内運用停止を実現すべきであり、政府には普天間飛行場の固定化を絶対に避け、積極的に県外移設に取り組むよう強く要望を致します。
 政府は、県民の怒りが限界に達しつつあること、またこれ以上の基地負担に県民の犠牲は許されないことを理解すべきであります。私は県民の生命と財産、尊厳と人権、そして将来の子や孫の安心と安全を守るべき知事として、このような事件が二度と起きないよう、県民の先頭に立って、日米地位協定の抜本的な見直し、海兵隊の撤退・削減を含む基地の整理・縮小、新辺野古基地建設阻止に取り組んでいく不退転の決意をここに表明し、私のあいさつと致します。
 グスーヨー(みなさん)、負ケテナイビランドー(負けてはいけません)。ワッターウチナーンチュヌ(私たちの沖縄人の)クワウマガ(子や孫を)マムティイチャビラ(守っていきましょう)。チバラナヤーサイ(頑張っていきましょう)。

最終更新:6/20(月) 6:17

沖縄タイムス