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沖縄県民大会 超党派にこだわった翁長知事

沖縄タイムス 6/20(月) 10:21配信

 海兵隊撤退を決議した県民大会の壇上に翁長雄志知事が立った。大会は超党派にはならなかったが、翁長知事は事件への怒りと米軍基地の整理・縮小という「県民の思いの重なり合い」(知事)を重視、県民が足並みをそろえて政府に向き合う重要性を強調した。自民、政府側からは参院選への影響を懸念し、大会を過小評価する声が早くも出始めている。(政経部・大野亨恭、銘苅一哲、東京報道部・上地一姫)
 「私たちは心を一つにして、この壁を突き崩していかなければならない」
 知事は壇上で、事前に事務方が準備した文書にはない言葉で会場へ訴えた。
 意味するのは、党派を超えて、日米両政府を動かす-。県幹部は「大会に臨む知事の決意と思いが凝縮した言葉だ」と解説する。
 県幹部によると、知事は超党派での開催にならないこと、決議文に海兵隊撤退が盛り込まれることを「一番のネック」だと考えていた。「沖縄はばらばらとのメッセージを送ることにならないか」
 知事が大会参加を決断したのは大会3日前の16日。知事は県庁で超党派に至らなかった点を記者団に問われ「パーフェクトではない」と言葉を濁した。
 それでも参加したのは、事件を防止できなかったことに「政治家として重い責任を感じた」(県幹部)からだ。知事は、与野党がまとまる難しさを「奇跡」と表現しつつ、6万5千人の前に立った。
 県政与党らが中心となるオール沖縄が主催した今回の県民大会は、自民や公明、維新から「超党派での開催ではない」などの批判や疑問の声が相次いだ。
 オール沖縄会議の共同代表の一人、呉屋守將氏は大会終了後に「政治色が付いているという人たちには、6万5千人の怒りの声が分かっていない」と反論。7月10日の参院選を控える中で「県民に寄り添わない政治家は、沖縄の政治史から更迭するくらいの気持ちだ」とけん制した。
 一方、自民関係者は「盛り上がりに欠ける集会だったのではないか」との見方を示す。県議選は基地あるが故の事件が政府与党の自民への逆風となった。「参院選も逆風を覚悟しているが県民大会がきっかけでさらに厳しくなるとは思えない」と影響を否定した。
 政府関係者は「6万5千人」を、「一般人も参加しないとこの数にはならない。沖縄の怒りや悲しみは深い」と受け止めた。だが新基地建設などは「県民大会が開かれたからといって、政策が変わるようなことはない」と計画の変更を否定した。
 別の関係者は約8万5千人が集まった1995年の県民大会よりも少なかったことに「超党派でないことが影響した」と指摘。知事が海兵隊撤退に触れたことには「機動力があり迅速に対応できる海兵隊は沖縄に必要。日米安保を理解し保守だったはずの知事はすっかり革新になったのか」とレッテルを貼って皮肉りつつも、今後、和解条項に基づく協議など、知事との交渉の場が難しくなることを懸念した。

最終更新:6/22(水) 19:26

沖縄タイムス