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未来を担う人材育成のため、CESAがゲーム開発インターンシップを開催! その真意をふたりのキーパーソンに聞く

ファミ通.com 6月20日(月)12時2分配信

●CESAがゲーム開発インターンシップを開催!
 一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(以下CESA)が、ゲーム業界に興味を持つ学生を対象にしたゲーム開発インターンシップを、2016年8月にパシフィコ横浜で開催することが発表された。このイベントは、CESAがこれまで取り組んできた、日本ゲーム大賞・アマチュア部門賞を始めとする人材発掘・育成への取り組みの一環。CESAは、学生やアマチュアゲーム開発者に向けた活動をさらに強化するべく、新たに人材育成部会を設置したという。そこで今回は、人材育成部会設置のねらいとインターンシップ開催の意義について、同部会を代表するおふたりに話を聞いた。(聞き手:週刊ファミ通編集長 林克彦)
※この記事は、週刊ファミ通2016年6月30日号(2016年6月16日発売)に掲載されたものと同内容です。

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●ゲーム業界に興味を持ってもらう さまざまな施策を検討
――はじめに、今回新設された人材育成部会の位置付けや活動内容から教えてください。
松原健二氏(以下、松原) CESAの委員会組織に、CEDEC(コンピュータエンターテインメントデベロッパーズカンファレンス)を運営している技術委員会があるのですが、その下部組織として人材育成部会を作りました。CESAは以前から人材育成に取り組んでいますが、今後さらにアマチュアのゲーム業界への興味や関心を上げるため、人材育成活動をしっかりやろうと考え、部会を立ち上げたのです。私が部会長、馬場さんとバンダイナムコスタジオの斎藤直宏さんにも副部会長として入ってもらいました。もともと馬場さんは、日本ゲーム大賞のアマチュア部門賞の審査にも関わっていました。
馬場保仁氏(以下、馬場) 我々3人以外にも、現在は東京工芸大学芸術学部ゲーム学科教授である遠藤雅伸さん、スクウェア・エニックスの時田貴司さんや土田善紀さん、セガゲームスの細山田水紀さんにも部会委員として参加してもらっています。
松原 アマチュア部門賞の活動と、今回発表したインターンシップとゲーム開発者アンケートの3つを人材育成部会の活動の柱に考えています。ゲーム業界にもっと注目してもらい、どんどんいい人材に集まってほしいので、毎月一回会議をして、そういった活動内容について話し合っています。

――もっと幅広い人材に、ゲーム業界に興味を持ってもらおうというわけですね。
松原 アマチュアのゲーム開発者にとって、日本ゲーム大賞のアマチュア部門というのは大きな目標です。しかし、それ以外のアプローチや興味を持ってもらえる場の提供ができるのではないかと思っています。
馬場 ゲーム大賞は、9月の東京ゲームショウで最終結果を発表しますが、それだと就職活動につなげるには、スケジュール的にややきびしいのです。卒業年度の学生が参加した場合、発表が9月というのはやや遅いですし、ひとつ下の学年だと、2年制コースであれば入学前にエントリーがすでに開始されていて参加が難しい。最近は4年制の専門学校も増えてきているので、いずれは解決していくと思っていますが、やはりスケジュールがフィットしているとは言いがたいわけです。
松原 日本ゲーム大賞と同じ東京ゲームショウという場で表彰されるのは、参加する方のモチベーションになっていますし、賞のステータスでもあります。今年はそれに加えてインターンシップを開催して、それぞれの人材育成活動を“線”でつないで行きたいと考えています。アマチュア部門、今回のインターンシップ、どれに参加してもゲーム業界への就職を考える知見が得られる……もちろん、それに続くものも議論している最中です。

――活動のシンボルとしてアマチュア部門があり、その先へ広がっていくイメージですね。
松原 ゲーム系の専門学校はたくさんありますが、専門学校を卒業しなければゲーム業界に入れないわけではありません。「どういった勉強をすればいいのか?」とよく聞かれますが、ふつうに勉強していればいいんです(笑)。ゲームは身近なものですが、いざ作る側となると確かにぜんぜんわからないですよね。それは当然ですから、いろいろな方にゲーム開発を理解してもらう機会を増やしていきたいです。
馬場 以前は、ゲームクリエイターと言えば子どもたちの憧れの職業でした。しかし、去年久々に人気が復活しましたが、昔に比べればまだ低調です。彼らが就職を意識する年齢になったときに、ゲーム業界に入りたいと考えてくれるのか? が課題だと思っています。私はいま、全国の大学を回っているのですが、学生たちに話を聞くと、職業としてゲーム業界を意識している人が思ったよりも少ないな、と感じます。それはもったいないですよね。現在ではUnityなどのゲームエンジンを使って、アマチュアでもゲームを作っている人口は間違いなく増えてきているのに……です。ただ楽しいからやっているというのもおおいにけっこうですが、できることならプロを目指してほしいなと思っていたのです。

――メーカーが求めている人材が、学生側に知られていないのかもしれません。
松原 採用する側からすると、ゲーム業界だからといって特別なものを求めているわけではありません。とくに新卒については。ゲームに限らず、エンターテインメント業界というものに、ハードルの高さを必要以上に感じている方が多いのかもしれません。たとえばゲーム大賞のアマチュア部門にエントリーできるレベルにないと、応募資格すらないのではとか。そのハードルを下げつつ、ゲーム業界に惹きつけられる何かを感じてもらえるように取り組みたいと考えています。

●実践的なプログラムで ゲーム業界への第一歩を
――今回、インターンシップが開催されますが、どのようなことを行うのですか?
馬場 そもそも「ゲームってどうやって作るの?」というところからスタートします。1日目は、基本を教えるために座学と演習。現在は神奈川工科大学特任准教授で、以前『もじぴったん』を作られた中村隆之氏を講師にお招きし、初めてのゲームデザインフレームワーク入門とゲームデザイン分析演習を行います。中村さんほど、モノ作りの最初にやるべきことを体系的に教えられる方はいないと思っています。彼の作られたフレームワークを体験することで、そのゲームがどんなゲームなのか、理解・説明できるようになります。
松原 このフレームワークはすごいですよ。中村さんはそれをご自分で考案されて、いまでは大学で実践しています。

――大学で実際に使っているフレームワークで学べるわけですね。
馬場 2日目は、チーム分けをしてグループ単位でゲーム開発演習を行うワークショップとプレゼンテーションです。より多くのプロと直接議論をしていただくために、全チームが順番に説明するスタイルではなく、“ポスターセッション”形式にしようと思っています。ポスターのように並べて貼り出す形なので、目立つには自分たちなりの工夫が必要になるわけです。その場では、CESAの会員である数多くのゲームメーカーの方々に、学生に質問してもらったり、投票してもらったりしようと考えています。そして、好評だった案を、最後に全員の前でプレゼンしてもらおうと。

――CESA会員企業側にとっても、学生の企画を見られる貴重な機会になりますね。
松原 単独でインターンシップをやっている会社はあるでしょうが、ゲーム業界全体でこういった活動をするのは、確かに珍しいですね。CESAが開催することで、この活動が広く学生さんの目に届いてほしいですね。

――いままで、ゲーム業界に興味はあったけど、どうしたらいいかわからなかった人に対してのきっかけになると思います。
馬場 今回のインターンシップは、夏休みに開催するので、地方に住んでいる学生さんも参加しやすいでしょう。ゲームメーカーは東京や大阪に集中していますが、生まれ住んだ場所が遠いというだけで、その夢の芽が摘まれるのは望ましくないんですよね。メーカーと学生に物理的な距離があるのなら、せめてそこを埋めてあげるようなサポートができたらな……と思っています。また、地方からCEDECに来る学生もいるでしょうから、なるべく近い時期に開催しようと調整しました。会場も、CEDECと同じパシフィコ横浜です。

――では最後に、学生や若い世代に向けて、メッセージをお願いします。
馬場 “ゲームが好きだ”という気持ちさえあれば、ゲーム業界を目指す十分な資格があります。その気持ちを忘れずに、夢への扉を叩いてほしいです。自分の力を試すという以前に、ゲームを作ることは“楽しい”という体験をしに、ゲーム業界への第一歩、いやゼロ歩目でいいので、インターンシップにエントリーしてください。とくに地方の学生さん。物理的な距離が遠く、なかなかゲーム業界への就職活動をすることすら難しいと思っている人たちにこそ、参加してほしいと思っています。それから、今回が1回目だから失敗してもいいとは思っていません。全力で成功させないと2回目につながりませんからね。
松原 モノやサービスを作ることを仕事に選ぶこと、そこにはどんな楽しさがあり、どんなプロセスがあるのか、少しでもわかるきっかけになってほしいと思います。せっかくの夏休みの貴重な2日間を使ってしまいますが、興味のある人はぜひ参加してください。

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第1回 プロから学ぶ!
はじめてのゲーム開発インターンシップ!
●開催概要
【会場・開催日時】パシフィコ横浜
8月22日(月)13時~20時
8月23日(火)10時~20時
【応募資格】学年問わず、ゲーム開発に関心のある、大学生・大学院生、高等専門学校生、専門学校生
【内容】
1日目:講義+演習:ゲームデザインとフレームワーク
2日目:グループワーク+プレゼンテーション
【募集人数】約100人
【エントリー締切】6月30日

 今回が1回目となるこのインターンシップは、就職先としてコンピュータエンターテインメント業界に興味を持つ学生を対象としており、現在参加者を募集中だ。日程は、8月24日~26日に開催される“CEDEC2016”の直前となっていて、会場も同じパシフィコ横浜なので、CEDECを受講する学生はとくに参加しやすいだろう。インタビュー中にもあるように、地方から参加する学生のことも配慮し、夏休み中に開催されることになった。合計2日間で行われるインターンシップは、ゲーム開発初心者にもわかりやすく、かつ実践的な内容となっている。会場には、CESA会員企業も来場するので、発表した内容について、ゲーム業界の第一戦で活躍している先輩クリエイターと意見交換することも可能だ。下記サイトにて募集中で、エントリー締切は6月30日。参加費無料!
※エントリーはコチラ

最終更新:6月20日(月)12時2分

ファミ通.com

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。