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長期雇用で障がい者を戦力に 沖縄のある企業の取り組み

沖縄タイムス 6月20日(月)14時35分配信

 段ボール製造のざまみダンボール(糸満市、座間味勲社長)が障がい者の長期雇用に力を入れている。現在、聴覚などの身体障がい者4人、知的3人、精神1人の計8人が工場内で段ボールの貼り合わせや打ち抜き、検品、積み上げ作業などを担当。勤続年数は長い人で15年を超える。座間味社長は「作業が丁寧で根気強く、ものづくりの現場で十分に戦力になる」と太鼓判を押す。沖縄県内企業に障がい者雇用のモデルとして情報発信していく方針だ。(学芸部・座安あきの)
 同社は14日、座間味社長が副会長を務める県工業連合会の会員企業向けに障がい者雇用の視察研修会を初めて開き、14社から25人が参加。障がい者の受け入れや働きやすい環境づくりなどについて学んだ。
 同社は15年以上前から障がい者雇用に取り組んできた。現在働く障がい者は20~50代。そのうち最も長い勤務年数は15年10カ月、短い人で1年2カ月と定着している。厚生労働省は従業員50人以上の事業所に対し一定数の障がい者を雇用するよう義務づけている。同社の実雇用率は8・25%で、法定雇用率の2・0%を大きく上回る。
 「『仕事』という観点でみると健常者と障がい者の区別はなくなる。障がい者だからといって特別な意識は持たず、仕事ぶりで評価することで、障がい者自身も力がついて1人でできる業務が増えてくる」と座間味社長。
 従事する業務は人の手でしかできない出荷前の重要な作業が多い。週1回程度、手話通訳を入れた会議を開き、仕事の上での悩みや課題を聞いて改善に役立てている。作業場の所々にホワイトボードがあり、従業員同士が文字でコミュニケーションをとる姿もあった。
 大量の完成品の中から印刷のムラや傷を見つけ出す検品作業に従事する男性(55)は勤続8年。聴覚に障害があるが、視覚が優れていて、瞬時に不良品をより分けることができるという。男性は手話で「ほかの社員と対等な立場でお互い協力し合いながら仕事ができている」と笑顔。勤続15年超の聴覚障害の男性(50)は段ボールを貼り合わせる機械責任者の機長を務めている。「さまざまな内容の業務に関われるのでやりがいがある。同僚とつきあっていくうちにやりとりがスムーズになった。定年まで勤め上げたい」と抱負を語った。 
 勤続3年の知的障害の男性(38)は段ボールの打ち抜きの機械操作や積み上げ作業に携わっている。「以前はリサイクル関連企業に勤めていたが、続かなかった。ここではいろんな仕事が覚えられて楽しい。長く続けたい」と話した。
 障がい者それぞれの特性によっては、コミュニケーション面で慣れるまでに時間がかかる場合があるというが、座間味社長は「それは健常者も同じ。従業員同士が互いに遠慮し合ったり、意識したりしない雰囲気をつくり、一人一人の個性を見て同じ社員として向き合うことが大切。ぜひ多くの企業で戦力として雇用してほしい」と語った。

最終更新:6月20日(月)14時35分

沖縄タイムス