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河内晩柑の果皮で認知症の予防期待 果汁飲料商品化へ 愛媛県・産学官が連携

日本農業新聞 6月20日(月)12時31分配信

 愛媛県は、かんきつ「河内晩柑(かん)」の果皮に多く含まれる機能性成分「オーラプテン(AUR)」などが認知症の予防に期待できるとして、産学官連携でAURを高めた果汁飲料を開発した。そのままの果汁はAURをあまり含まないが、果皮ペーストを添加した果汁飲料は125ミリリットル中にAURを6ミリグラム程度含む。機能性表示食品としての商品化に向け、6月から愛媛大学医学部で人への効果を確かめる。

 県産業技術研究所など県試験研究機関と愛媛大学、松山大学、企業が共同研究する。「河内晩柑」の機能性成分を生かした認知症予防食材の開発、「河内晩柑」の消費拡大、生産農家らの収入増が狙い。同県は全国一の「河内晩柑」の産地だが、知名度が高くなく、PRにつなげたい考えだ。

 「河内晩柑」に含まれる機能性成分AURや「ヘプタメトキシフラボン」が認知症などに効果があることは、松山大学薬学部がマウス実験で証明している。AURを高めた果汁飲料の開発は、JA全農グループの(株)えひめ飲料と共同で取り組む。

 AURは果皮に多く含まれるため、搾汁残さを活用する。AURの含有量は保持しながら皮の苦味を減らす処理を行い、舌触りを良くするためにより細かい果皮ペーストを効率的に製造する技術を確立。果皮ペーストを添加したAUR濃度の高い飲料を開発した。

 同研究所食品産業技術センターの大野一仁センター長は「手軽においしく飲むことでAURが摂取でき、認知症などの予防になれば」と商品化に期待する。

 果皮ペースト入り飲料の安全性は、マウスによる試験で確認した。今年度は愛媛大学医学部でヒト介入試験を実施し効果を検証する。搾汁残さを活用して、新たな機能性食品素材や加工食品の開発に取り組む計画だ。

日本農業新聞

最終更新:6月20日(月)12時31分

日本農業新聞