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愛媛大、銅スラグの鉛・ヒ素を封じ込める手法開発-ゆっくり冷やすだけ 路盤材活用も

日刊工業新聞電子版 6月20日(月)13時51分配信

 愛媛大学大学院理工学研究科の武部博倫教授らの研究グループは、銅製錬で生じるスラグから有害物質が溶出しないように封じ込める手法を開発した。特別な工程の追加は不要。スラグをゆっくりと冷やすだけで有害な鉛とヒ素が不溶組織に取り込まれる。土壌汚染対策法の試験に使われる塩酸への溶出量を従来に比10分の1以下に減らし管理基準を満たした。道路の路盤材などの製品展開につながる。

 銅スラグをコンクリートや道路に用いるためには、不純物の地下水溶出や口に入った際の健康リスクについて、土壌と同じ基準を満たす必要があった。直接摂取リスクは不純物の塩酸への溶出量で評価する。一般に銅スラグは塩酸溶出試験を通過できずセメント原料など用途が限られていた。

 研究グループは銅スラグの冷却速度を10分の1以下に落としスラグ中の鉄酸化物などを結晶化させた。すると残りのアルミナなどが酸に溶けにくい不溶組織を形成した。この不溶組織が鉛とヒ素を取り込み封じ込める。塩酸溶出試験では従来のスラグは1キログラム当たり368ミリグラムの鉛、179ミリグラムのヒ素が溶出していた。徐冷スラグでは鉛21ミリグラム、ヒ素は4ミリグラムと、10分の1以下に抑えられた。

 製錬所では高速で処理するため、溶けたスラグを大量の流水に加えて急冷する。今後、冷却速度などを検討し処理効率を高める。スラグが商品として売れないと産業廃棄物として処分費用がかかる可能性があった。

 銅スラグを道路の路盤材やコンクリートの骨材など使用量の多い用途に販売できるとスラグの安定処理につながる。

最終更新:6月20日(月)13時51分

日刊工業新聞電子版

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