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「10万円でほとんどの顧客はカバーできる」-三菱自・益子会長、来月にも軽4車種の生産販売を再開

日刊工業新聞電子版 6月20日(月)14時27分配信

【販売終了車は3万円】
 三菱自動車は燃費データの改ざんがあった軽4車種のユーザーへの補償方針を明らかにした。不正発覚から2カ月を経て、ユーザーへの補償問題が解決に向け一歩前進した格好だ。ただ、燃費悪化に伴うエコカー減税の返納、部品メーカーへの休業補償、販売店や軽自動車を供給する日産自動車への機会損失補償など課題は山積みだ。3月末時点の同社の現預金は約4500億円と豊富だが、今後の推移次第では財務リスクが顕在化する恐れもある。

 「燃費悪化によるガソリン代の差額や車検に伴う重量税を含め1台当たり10万円を支払う」(益子修会長)。三菱自動車では社内で燃費を再試験した結果をもとに、年1万キロ走行する顧客が10年間使用した場合をモデルに試算。「10万円の補償額でほとんどの顧客をカバーできる」(同)という。

 また過去10年間に販売終了した車種を含む登録車計5車種で改ざんがあり、1台3万円の補償を支払う。対象は軽4車種62万5000台、登録車10万台。日産を含む顧客への補償額として2016年3月期と17年3月期の合計約650億円を特別損失に計上した。

 今後は6月中にまとまる国交省の燃費試験結果を踏まえて軽4車種の燃費を確定する。実際の補償額を確定し、エコカー減税を返納する。燃費を含む正しい諸元を国交省に再提出して了解が得られれば、軽4車種の生産販売を再開する意向で「(早くても)7月から再開するスケジュール感でいけると考えている」(中尾龍吾副社長)。

 生産販売の再開時期が固まれば、部品メーカー、販売店、日産への補償手続きが本格化する。不正があった軽4種向けに部品を供給しているサプライヤー幹部は「少なくとも作った部品の分だけでも請求したい」と強調する。補償以外に訴訟リスクも考えられ、対策費用が膨らむ可能性がある。

 まずは一山越えたが「再発防止策がきちんと履行されるか注視する」(国交省関係者)。また、一律10万円とした補償額を含め、三菱自の対応は同様の問題における“デファクトスタンダード(事実上標準)”になる可能性がある。三菱自には引き続き真摯(しんし)な対応が求められる。

最終更新:6月20日(月)14時27分

日刊工業新聞電子版