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実損保険の範囲を減らし、韓国でも健保の保障率高めるべき

ハンギョレ新聞 6月20日(月)21時9分配信

フランス、ドイツのように 公的保険の保障率を77~78%に 韓国は60%台序盤にとどまり数年足踏み 「実損保険料を健康保険料に移し 健康保険の保障率を引き上げるべき」

 国民が診療費を心配せずに安心して治療を受けられるようにするためには、どんな医療保険システムを作らなければならないか。保健医療市民団体と関連専門家たちは、公的保険の健康保険の保障性を高め、国民が健康保険にさえ加入していれば医療費に対する大きな不安や負担をなくすことが最も重要と指摘する。実損保険が不必要な過剰診療を煽り、結局は過度な保険料引き上げに至る現象を防ぐために、短期的には実損保険が保障する治療や検査の項目を制限する必要があると指摘した。民間保険会社が保険料を勝手に引き上げられないよう、損害率などを透明に公開する必要も提起される。

■過剰診療を防ぐには

 現在一部の病院が実損保険加入者に対して、あえて必要でなく医学的検証も不十分な高額治療や検査を勧めている問題は、実損保険の最大の問題に挙げられる。例えば、椎間板ヘルニア疾患があれば、あえて手術するまでもない初期患者に500万ウォン(約45万円)近い費用がかかる脊椎神経成形術や高周波減圧術をしたり、必ずしも必要でなくともCT(コンピュータ断層撮影)のような高価で放射線露出量まで検査を乱発したりする。そのために、実損保険の保障項目から非給付診療(健康保険が適用されない診療)の一部項目は除かなければならないと指摘されている。現在は整形や美容目的の治療だけが除外されている。また、医学的に十分な検証がされていない治療も保険恩恵から除外し、徒手治療(手で行う筋肉マッサージ治療)のように、治療回数を過剰に増やすケースが多い治療については、治療回数を制限する方案も検討する必要があるといわれている。保険業界の一部では、健康保険のように実損保険も健康保険審査評価院のような機関で審査をした後、保険金を支払うべきだとする主張もある。だが、大韓医師協会のソ・インソク保険理事は「患者に利益を重視し、医学的に認められる実損保険の適用範囲を医療界と相談し決めることが望ましい」と話した。損害保険業界のある関係者は「保険業界が保険金の支給範囲を定めれば、保険加入者も医療供給者も不満を抱くだろう。医療界と保険業界が一緒に適正な保障範囲を決めることが解決法」と話した。

 保険料の過剰な引き上げも問題だ。現在、実損保険の損害率計算は計算主体により様々だ。保険会社側は120%(保険料より保険金の支払いが20%多いので赤字という意味)と主張する反面、国民健康保険公団の計算では80%、韓国保健社会研究院(保社研)の計算では96.6%だった。計算方法もそれぞれ異なり、根拠として用いる資料も正確に公開されていないためだ。保健医療市民団体は「保険会社が保険料を意のままに上げられないよう、損害率などを透明に公開させなければならない」と主張している。現在、保険会社の商品は非常に多様で、誇大広告が多く加入者が正しい情報を知りえないという点も改善の必要がある。

■健康保険の保障性を高めるべき

 フランスやドイツの場合、公的保険システムが堅固で、保障比率が77~78%に達する。民間保険が医療費に占める比率は10%内外にとどまる。だが、韓国では最近数年来、健康保険の保障率が60%序盤に留まっている。癌など4大重症疾患の場合、保障比率が77%であるが、これらの疾患以外でも病院代が数百万ウォンから数千万ウォン(数十から数百万円)に達する疾患が多い。

 「私が作る福祉国家」のキム・ジョンミョン政策委員は「政府が健康保険の保障比率を画期的に高める方案を出し、それを段階的に実践してこそ健康保険に対する信頼が高まる」とし「国民はすでに実損保険に多くの保険料を払っているが、それを健康保険に移してくれば実損保険料より少ない医療関連保険料で福祉先進国と同水準の医療保障ができる」と話した。

キム・ヤンジュン医療専門記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:6月20日(月)21時9分

ハンギョレ新聞