ここから本文です

【白球つれづれ】13年目のシンデレラストーリー

ベースボールキング 6月20日(月)20時3分配信

「白球つれづれ」~第13回・城所龍磨~

 強い。強すぎる。最近、野球好きの人々の会話はソフトバンクホークスの無敵の進撃に始まり、やがてため息が漏れてくる。

 今年のセ・パ交流戦も戦前の下馬評通りに白星を積み上げて13勝4敗1分。2年連続の最高勝率球団(要は優勝のこと)に輝いた。ちなみに過去10年の交流戦における1位を調べてみると、巨人が2度、日本ハムとオリックスが各1度、それ以外の6度がソフトバンクなのだから、その強さは群を抜いている。

交流戦のMVPは…!?

 シーズン半ばの交流戦で、セ・リーグの各球団は白旗状態。パ・リーグに目を転じてみると、ロッテが必死に貯金を作っても、さらにその上を行く。これではペナントレースの興味は薄れ、後半戦の観客動員にも影響が?と余計な心配をしたくなるがそうとばかりは言えない。個人的に何とも痛快で夢のような物語を現実にしている男がいる。近日中に発表される交流戦MVPの大本命と目されている城所龍磨。プロ13年目の狂い咲き?こんなドラマもあるから野球は面白い。

 2003年のドラフトで当時の福岡ダイエーホークスから2位指名。昨年までの通算成績は589試合に出場して290打数48安打。打率.166、1本塁打、21打点。ちなみに今季の年俸は推定1900万円。1億円プレーヤーがゴロゴロいるチームにあって解雇されてもおかしくない数字だが、人並み外れた身体能力に裏打ちされた守備、走塁のスペシャリストとして生きる場を見出してきた。

 入団当初の監督で現球団会長の王貞治に城所の印象を聞いてみた。 
 
「攻守走と揃っていて3~4年目には柴原と外野のレギュラーを争うところまで来ていたんだ。ところが肝心なところでケガが多くてね」

ケガと若手の台頭と

 確かに入団2年目の二軍戦で左側頭部に死球を受けての骨折を皮切りに、その後も肩、ふくらはぎ痛などで戦列離脱を繰り返してきた。昨年はオープン戦で左尺骨骨折、ようやく一軍に呼ばれた8月の西武戦でも左肩脱臼で再びリタイア。公式戦の出場はわずかこの1試合に終わってしまった。気がつけば外野には、柳田、長谷川、中村らが台頭。レギュラーの座をつかみ、福田、江川ら控えの層も厚い。城所にとって背水の陣で臨んだ今季だった。

 シーズン当初はいつもの通り守備、代走要員としてスタートした。それでも人一倍、練習する姿が首脳陣の目にとまる。5月に入って先発起用されると結果を出していった。そして、交流戦の大ブレークだ。巨人戦では高木勇人から2打席連続本塁打を放つと、最終戦となった19日の阪神戦では満塁弾で試合を決めた。
過去の12年間でたった1本塁打の男が交流戦だけで5ホーマーに12打点。打率.415は堂々のトップだ。

 「今は打席でゆったり出来ている」という城所自身も夢心地に違いない。

1/2ページ

最終更新:7月4日(月)18時49分

ベースボールキング

スポーツナビ 野球情報

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。