ここから本文です

板キリコを増産 金沢の業者、手軽さ人気

北國新聞社 6/20(月) 2:39配信

 7月の新盆に向け、墓前に供えるキリコの製造が市内で最盛期を迎えている。手軽さが人気で需要が高まり、市場の8割を占めるまでになった板キリコの製造業者は、今年も1万個を増産し、計20万個を出荷する。生産量が20年前の4分の1ほどに減った業者もある伝統的な箱形キリコには、送り火のろうそくをともす日蓮(にちれん)宗の檀家(だんか)らから根強い支持があり、墓地に広がる盆の風景は年々、変化を見せている。

 14年ほど前に考案された板キリコは、スギやベニヤ製の板で厚みを持たせた六角形のキリコや、黒塗りに金飾を施した品などがある。長さ20センチ、幅9センチと大きさが手頃で、持ち運びしやすいことから、年々、需要を伸ばしてきた。

 大竹仏壇木地製造所(古府2丁目)の大竹英彦社長によると、板キリコはくぎなどの不燃物を使っていないため、盆明けに処分しやすく、現在は箱形を含めたキリコ市場のおよそ8割を占める。20万個を製造する同社は今年、小松市や能美市のスーパーにも板キリコを出荷する。

 大竹社長は「少々離れた場所に暮らしていても、盆にはキリコを供えてお参りし、先祖を思う心を大切にしてほしい」と呼び掛けた。

 箱形キリコを作る紙尾木工所(金石西4丁目)は今年、約2万個を生産する。箱形が主流だった20年前までは約8万個を製造していたが、板キリコの人気に押され、生産量は年々減っているという。

 しかし、日蓮宗や天台宗の檀家らからは、送り火のためにろうそくをともせる箱形キリコを求める声が依然として強い。紙尾政一代表は「墓参りの簡素化が進む中、ろうそくの火で先祖をお迎えする伝統を守りたい」と話した。

北國新聞社

最終更新:6/20(月) 2:39

北國新聞社