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金融政策はもう限界!? アベノミクスの円安誘導はもう終わったのか?

THE PAGE 6/22(水) 7:00配信

 為替市場で急激な円高が進んでいます。日本は量的緩和策に加えて、マイナス金利まで導入し、金融政策を進めてきましたが、もはや効き目はなくなってしまったのでしょうか。

これまでのアベノミクスが行ってきた円安誘導は?

 量的緩和策は、日銀が積極的に国債を購入することで市場にマネーを供給し、インフレ期待を生じさせることで、企業の設備投資などを活発にしようという政策です。量的緩和策の導入直後は、実際にインフレ期待が発生し、株高と円安が進行。物価も順調に上昇するかに見えました。

 量的緩和策がスタートした2013年4月時点では、消費者物価指数(「生鮮食品を除く総合(コア指数)」)は前年同月比マイナスでしたが、すぐにプラスに転じ、消費税が8%に増税された直後の2014年5月にはプラス1.4%(消費税の影響除く)まで上昇しています。

 しかしその後、物価上昇率は鈍化傾向が顕著となり、最近ではマイナスとなる月も増えてきました。日銀は量的緩和策を補完する目的で、2016年1月にマイナス金利政策を導入しましたが、これは完全に逆効果となっています。日銀が購入できる国債の量には限度がありますから、追加緩和を決定してしまうと、もう後がありません。アベノミクスはかなり厳しい状況に追い込まれたとみてよいでしょう。

金融政策はもう打つ手なし? 次はどうする?

 各国の投資家にとって、日本の金融政策が手詰まりになっていることは共通認識となっており、為替市場では投機的な円買いが進んでいます。日本政府は一時、為替介入で円高を阻止することを画策しましたが、米国などが強く反発したことで、これを断念したという経緯があります。

 追加緩和もできず、介入もできないということになると、日本には円高を阻止するための手段が存在しません。米国の追加利上げ見送りでドル高にはなりにくい状況ですから、当分の間、円が買われる傾向は続くでしょう。日本企業の業績が好調だったのは、円安による見かけ上の売上高の拡大が主な要因でしたから、円安が止まってしまうと、今期以降の業績も伸び悩むことになります。日本株もしばらくは軟調な展開が続く可能性が高いと考えられます。

 国内では金融政策が効かなくなってきたことから、再び財政出動の強化が模索されています。しかし、バブル崩壊以降、20年にわたって巨額の財政出動を繰り返したにもかかわらず、日本経済はほとんど成長することができませんでした。日本の経済構造が大きく変わったわけではありませんから、財政出動に戻ったところで効果は限定的でしょう。むしろ日本の財政問題が意識され、将来の金利上昇とインフレ・リスクを高めることにつながりかねません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:6/22(水) 7:00

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