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日本の農業に明るい未来を期待!?三井住友銀、農業法人設立の狙いとは

THE PAGE 6/23(木) 7:00配信

 メガバンクの三井住友銀行は15日、秋田県で農業法人を設立すると発表しました。政府は農業の規制緩和を進めており、農地の集約化や大型化が進むことが予想されます。農業は金融機関にとってあらたな融資先となる可能性があり、同行は単に融資をするだけでなく、自ら農業に参入することで市場の拡大を狙います。

規制緩和で一般事業の兼業も可能に

 同行は、秋田県の有力農業法人や秋田銀行などとの共同出資で「農地所有適格法人」を立ち上げ、農家から農作業を受託したり、農地を借りて農作物の生産を行います。今年4月に改正農地法が施行され、企業が農業に参入するための条件が緩和されました。一定の条件を満たした農地所有適格法人であれば、農地を所有して農業を行うことが可能となっており、多くの企業が農業への参入を検討しています。しかし、本来は融資が本業である金融機関が、直接、農業に乗り出すというのは初めてのケースです。

 金融機関は、自らが一般的な事業を行ってしまうと、融資業務との利益相反が起こる可能性があります。自らが運営する事業よりも、競合他社が運営する事業の方が成長性が高いと判断された場合、自社よりも他社に融資した方が儲かり、自社の事業が犠牲になってしまいます。逆に、儲からない自社の事業に資金をつぎ込むようでは本末転倒です。金融機関による一般事業の兼業は法律でも禁止されていましたが、規制緩和の流れから、現在では異業種参入そのものは可能となっています。しかし、自らが事業に乗り出すというのは、かなり珍しいと考えてよいでしょう。

農業法人設立にはどんな狙いがあるのか

 同行が直接事業に乗り出す背景には、農業が今後の新しい融資先として有望であることから、融資に必要なノウハウをできるだけ早く吸収する狙いがあると思われます。農業法人の運営経験があれば、今後、関連する融資の判断が容易になります。

 しかし、農業が今後、融資先として巨大市場に成長するのかというと話は別です。2014年における農業の総産出額は約8兆4000億円ですが、これはトヨタ自動車1社の売上高の3分の1にしかすぎません。日本国内にあるすべての農業を足し合わせても、自動車メーカー1社分にもならないというのが現実です。水産業や林業を合わせても、日本の国内総生産(GDP)に占める割合は1%ちょっとですので、マクロ的に考えると、農業は極めて小さな産業といえます。農業の法人化で市場が拡大したとしても、今後の収益の柱にはならないでしょう。

 ただ、これまで農業向け金融は、農協(JA)や政府系金融機関が独占してきましたから、こうした閉鎖的な世界に風穴が開き、金融市場が活性化するという効果は期待できそうです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:6/23(木) 7:00

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