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三菱東京UFJ銀行が、もう国債を買わないって本当?

マネーの達人 6月21日(火)5時7分配信

三菱東京UFJ銀行が、「国債市場特別参加者資格」を、国に返上するそうです。でも、タイトルにあるように、これで三菱東京UFJ銀行が国債を買わないというわけではありません。

普通資格者として、国債入札には参加します。国債はこれからも引き受けます。

国債市場特別参加者資格とは

まずは言葉の解説です。「特別参加者資格」ってなんなのでしょう。

特別参加者には国債入札に当たって発行予定額の4%以上の応札、1%以上で落札をしなければならないという義務があります。必ず毎回これくらいは国債を買いなさいよということです。

では義務を果たすことでどんな特別な権利を得ることができるのでしょう。

なんと、財務省の方々と会合を開くことができるのです。すごいですね。国債を引き受けたら、財務省のお役人方とお話ができるのです。うれしいですね。

財務省との会合に参加して意見交換することで、時にはインサイダー情報も得ることができるのでしょう。買い入れ消却入札への参加、流動性供給入札への参加などが認められるメリットもあります。

現在の特別資格は22社が有し(当初は25社だった)、うち19社が内外の証券会社で銀行は3大メガバンクの三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行だけです。

国債入札自体は特別資格がなくても誰でも(個人でも)参加できます。ある意味、メガバンクとしてのステイタスという側面もあるのでしょう。銀行や証券会社の自らの顧客に対しても、特別資格を持っていることは有利になることもあるのでしょうね。

今回の情報は、この特別参加者資格を返上するということです。三菱東京UFJ銀行として、国債を買わないということではありません。

三菱東京UFJ銀行はなぜ特別資格を返上するのか

ではなぜ返上するのでしょう。もはや、財務省からの情報提供にメリットを感じなくなったのでしょうか。

まずは現実的な側面からの判断があると思います。それは、三菱UFJフィナンシャル・グループとしては、この国債市場参加者特別資格を3社で持っているということです。

銀行のほかに、三菱UFJモルガン・スタンレー証券とモルガン・スタンレーMUFG証券も特別資格を有しており、この2社は返上しないようです。

同じグループ内で3つもいらないでしょうという判断ですが、じゃあなぜ三菱東京UFJ銀行の持分を返上するのでしょう。

それはメガバンクトップの返上が、関係者にかなり大きな影響を与えるからです。それは、マイナス金利への批判とも取れる行動なのでしょう。

もう国との関係をここらで見直しましょうというメッセージなのかもしれません。マイナス金利導入した後も、なぜ金融機関が国債を引き受けなければならないのか、それを問いただしているような気もしますね。

いままで日銀を含む金融当局に決して逆らうことがなかった大手銀行が、マイナス金利導入に、「遠巻きでささやかな抵抗を示しているのでは」と報じられてもいます。

このあたりを強調して、一部報道メディアでは「三菱vs日銀」という構図であおっているようではあります。

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最終更新:6月21日(火)5時7分

マネーの達人