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オンライン融資「海外で成長曲がり角。揺らぐ信頼性」

ニュースイッチ 6月21日(火)8時26分配信

環境異なる日本。小口融資に食指を動かす

 インターネットを使って貸し手と借り手を市場から募る「マーケットプレイスレンダー」の成長が海外で曲がり角を迎えている。利便性や金利を武器に信用度の低い顧客も取り込み急成長を遂げてきたが、「先鋭的なサービス」としての印象は色あせつつある。果たして日本での普及は進むのか。
 
 マーケットプレイスレンダーは英国のゾーパが2005年、米国のレンディングクラブが07年にサービスを開始。特にレンディングクラブは14年末にニューヨーク証券取引所に上場した際には一時、時価総額が100億ドルに達した。

 15年末までの融資残高は160億ドルに達し足元の融資の伸びも前年同期比で5―8割を示し依然好調だが「米国では成長は過去のものと見る機運が高まっている」(メガバンク関係者)との声もある。実際、競争環境の厳しさは明らか。米国ではゴールドマン・サックスなど大手が手がける新興勢が価格攻勢を仕掛け始めている。金融規制の問題も横たわる。


 08年秋のリーマン・ショック後に台頭したため景気後退を経験していない。金融危機で貸出債権の悪化が進めばビジネスモデルを左右することになりかねない可能性もある。

 最大の課題は5月に発覚した業界の信頼性を巡る問題だ。マーケットプレイスレンダーは借り手には提携銀行が融資し、そのローン債権を貸し手である投資家に分売する。レンディングクラブは投資家が希望していた基準に達していないローン債権を投資家に販売したことが明らかになり、CEOが辞任に追い込まれた。ビジネスの根幹となる問題だけに業界全体への波及は不可避だ。実際、レンディングクラブの時価総額は20億ドル台までしぼんだ。

 日本でのマーケットプレイスレンダーを巡る環境は海外とは様相が異なる。事業者が個人から資金を集め、企業やプロジェクトに貸し付ける枠組みが主流だ。貸付先は不動産物件がほとんどだ。大手は参入していない。

 最近は、「フィンテック」の追い風もあり、一部メガバンクはクラウドファンディングやビッグデータを活用した小口融資に食指を動かす。米国の例に倣えば、マーケットレンダーが「銀行の既存モデルの破壊者」になる可能性はないが、一定の普及が見込めるだろう。

最終更新:6月21日(火)8時26分

ニュースイッチ