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TPP影響をJA試算、佐賀県内の農畜産物275億円減 生産額4分の3に

佐賀新聞 6月21日(火)11時21分配信

肉用牛で最大81億円

 JA佐賀中央会と県農政協議会は20日、環太平洋連携協定(TPP)の発効で対策が取られなければ、佐賀県内の農畜産物生産額が全体の約4分の1にあたる最大275億円減少し、7500人の雇用が減少するとした独自の試算を公表した。1月に県が国の基準で試算した9品目でみても影響額は240億円を超え、県試算の13億円を大きく上回る。国はTPP対策効果を見込んでいるため条件が異なるものの、JAは「『対策をするから影響はない』というのは議論の前提としておかしい」とTPPの是非も含めた議論を促した。

 試算は4月に東京大大学院の鈴木宣弘教授(農業経済学)に委託、2013年の県農業生産額上位50品目を対象に算出した。牛肉・オレンジの輸入自由化など過去のデータに基づき、関税撤廃による価格下落や需給バランスの変化などを係数化した。

 影響額が最も大きかったのは肉用牛で81億6400万円に上り、県試算の4億2000万円と20倍の開きがあった。ミカンは64億7900万円、生産額に対する減少率が76・7%と最大の豚肉が40億6500万円と続く。影響が「ゼロ」とされた米は17億1500万円。タマネギ(8億6900万円)やイチゴ(6億3600万円)などの特産品も上位に並ぶ。

 佐賀市で開いた会見では農協幹部が「農業を大企業の成長の犠牲にして安倍首相の言う『美しい国』を守れるのか」と語気を強め、「国内の保護対策が海外の投資家からISDS条項違反として訴訟を起こされれば前提も崩れる」と指摘した。参院選を意識し、「単に安い物が手に入るというのでなく、国民がそれ以上の負担を強いられるということを、選挙の時こそ議論をするべきだ」などの発言も相次いだ。

 試算結果を近く県や県議会に提出する。独自試算の動きは福岡や宮崎県などでもある。

最終更新:6月21日(火)11時21分

佐賀新聞