ここから本文です

研究機関・省庁、梅雨本番で注意喚起

ニュースイッチ 6月21日(火)19時34分配信

防災情報相次ぎ発信

 本州で梅雨本番となったことを受け、研究機関や省庁が水害発生のおそれがある場所を公表するなど、防災の意識を強めるための取り組みが活発化してきた。気象庁によると梅雨入りの時期は2015年に比べて沖縄地方で4日、北陸や東北地方で6―13日早く、九州から関東甲信地方は1、2日遅い。大雨によって洪水や河川の氾濫、山間部では土砂崩れが発生する恐れがあり、注意が必要だ。

 梅雨の前半は気温が低く、大気中の水蒸気量が少ないため弱い雨が降り続く。一方、後半は梅雨前線の南側に高温多湿の風が吹くため、強い雨が局地的に降る集中豪雨が起こりやすい。

 15年には6月上旬から7月下旬にかけて、日本付近に停滞する梅雨前線の活動が断続的に活発化した。同時に、台風9、11、12号が相次いで日本に接近。九州南部・奄美地方で総降水量が2000ミリメートルを超えるなど、各地で大雨となった。その結果、土砂災害や浸水害、河川の氾濫などが発生し、甚大な被害が発生した。

 雨で地盤が崩れる土砂崩れにも注意が必要だ。特に4月に発生した熊本地震の被災地では地面に亀裂が入っている場所もある。地震によって亀裂が入った地面は水が浸透しやすい。そのため、山などの斜面では土砂崩れが発生する危険性が高くなる。日本地すべり学会の落合博貴副会長は「局地的な大雨が降った場合は特に注意が必要」と指摘する。

 こうした状況を踏まえて、研究機関や省庁では防災情報を伝える仕組みを整えている。防災科学技術研究所は、地理学者の大矢雅彦氏が編著し、防災研へ寄贈した地図「水害地形分類図」について、国内外の全49カ所分を閲覧できる専用のウェブサイト「水害地形分類図デジタルアーカイブ」を3月に立ち上げた。水害地形分類図は自然堤防や過去に河川だったことによる起伏などを表示しており、水害を被りやすい場所の判断に役立てられる。

 一方、国土交通省は4月、水害を対象にした災害予測地図の新たな作成指針を都道府県に通知した。都道府県の各市町村はそれらを踏まえて災害予測地図を拡充する。

 大きな災害が想定される場合には、素早く安全な場所に逃げることも重要だ。気象庁は集中豪雨により数十年に一度の降雨量となる大雨が予想される場合などには、「特別警報」を発表している。

発表中の気象警報の詳細については、気象庁や国交省防災情報提供センターのホームページなどで確認できる。気象研究所の楠昌司研究官は「気象庁が発表する警報などへの注意が必要」とし、警報が発表された際の迅速な避難などを呼びかけている。

 梅雨の時期には、集中豪雨に伴って災害が発生するおそれがある。被害を最小限に抑えるため、防災情報を積極的に活用することが重要となる。

最終更新:6月21日(火)19時34分

ニュースイッチ