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【ブラジル】零細・小企業 金融危機当時のレベルに 先行き見通しは改善

サンパウロ新聞 6月21日(火)5時23分配信

 サンパウロ州内の零細・小企業の2016年4月の実質売上高は前年同月を12.4%下回った。実質売上高の前年同月割れはこれで16カ月連続となり、同州内零細・小企業の平均売上高はブラジルが世界的な金融危機の打撃を被っていた09年4月のレベルに戻った。零細・小企業支援サービス機関サンパウロ州支部(Sebrae―SP)の調査結果に基づいて伯メディアが16日付などで伝えた。

 零細・小企業支援サービス機関サンパウロ州支部の調査によると、今年4月の同州内零細・小企業の実質売上高は合計453億レアル(約1兆3590億円)。15年4月に比べて64億レアル少なかった。1~4月累計は15年同時期に対して14.4%減だ。

 同機関は、経済の不確実性、失業率の上昇、労働者らの実質所得の減少、そして国内消費のレベル低下が零細・小企業の減収につながっていると確信している。パウロ・スカフ支部長は「零細・小企業と個人零細企業は依然として危機の影響に対して脆弱で、経済を間違った方向に導いた前政権が残した遺産にいまだに苦しめられている。我々は黄信号(注意すべき状況)にいる。成長を再開するには一定の時間がかかる」としている。

 産業別では、工業(製造業)の売上減少が最も激しかった。今年4月の工業の売上高は15年同月比14.7%減、サービス業は同13.7%減、商業は同10.5%減だった。

 また、州内の地方別では、地方部の売り上げの落ち込みが前年同月比4.8%減と最も小さかった。サンパウロ市を含む39都市で構成される大サンパウロ都市圏では同18.8%の落ち込みを記録。サンパウロ市内では同16.5%減、自動車工業などが集積するABCパウリスタ地区は同12.7%減だった。地方部での落ち込みが小さかったのは、サトウキビをはじめとする重要な作物の収穫が始まったこと、そして、比較のベースである15年4月の業績が良くなかったことで説明がつく。15年4月の売上高は、州全体が前年同月比13.6%減だったのに対し、地方部は同19.8%減と大きく沈んでいた。

◆個人零細企業は2割の減収

 個人零細企業はどうだったか。サンパウロ州内個人零細企業の16年4月の売り上げは前年同月比19.9%減と、零細・小企業を上回る落ち込みを記録、15年4月よりも5億7000万レアル少ない23億レアルにとどまった。16年1~4月累計の売上高は前年同時期に対して実質24.0%減。

 産業別では、工業が30.8%減、商業が16.9%減、そしてサービス業が16.6%減。国内消費の弱さ、失業率の上昇、所得減少といったものが、業績を損なわせる決定的要因として作用した。

 地方別では、大サンパウロ都市圏内の売り上げが前年同月比28.2%減と激しく落ちこんだの対し、零細・小企業と同様に作物の収穫開始がプラスに作用した地方部での落ち込みは同8.0%減と他に比べて小さなものだった。

◆先行きの見方が改善

 今年5月に実施した調査では、零細・小企業経営者の56%が、先行き6カ月の自社の業績について「横ばい」との見方を示した。15年5月調査時に同様の見方を示したのは全体の61%だった。また、業績が「上向く」としたのは昨年調査時の22%を上回る27%、「悪化する」としたのは昨年5月の12%よりも少ない8%だった。

 ブラジル経済の先行き6カ月については、「横ばい」としたのは15年5月と同じ38%だったが、「上向く」と前向きな見方を示した経営者の割合は昨年の15%から34%に大きく拡大、「悪化する」との回答は40%から16%に減った。

 個人零細企業では、先行き6カ月の自社の売り上げについて「上向く」としたのは全体の45%(15年5月は43%)で、「横ばい」は41%(同37%)、「悪化する」は10%(同15%)だった。

 ブラジル経済については39%が「横ばい」と回答(15年5月は30%)、「上向く」は35%(同22%)、「悪化する」は20%(同43%)だった。

 今回の調査では、サンパウロ州内の零細・小企業経営者1700人と個人零細企業主1000人に話を聞いた。同調査では、商業及びサービス業においては従業員49人以下、工業においては従業員99人以下で、年間売上高が360万レアル未満の企業を零細・小企業としている。

サンパウロ新聞

最終更新:6月21日(火)5時23分

サンパウロ新聞