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[社説]国家情報院が「集団脱北」を隠す理由は何なのか

ハンギョレ新聞 6月21日(火)22時2分配信

 北朝鮮の海外レストラン従業員の集団脱北をめぐる国家情報院の行動が度を越している。裁判所は、国家情報院が保護している北朝鮮レストランの従業員12人が自由意思で入国したのか確認するため、国家情報院に21日の尋問に彼女らを出席させるよう通知した。国家情報院は19日、脱北者の代わりに弁護士を出席させる予定を一部の新聞を通じて明らかにした。国家情報院は「従業員を法廷に立たせるのは、北朝鮮の主張に踊らされることだ」と主張した。その新聞には、今回の尋問を請求した「民主社会のための弁護士会」(民弁)が北朝鮮の主張を代弁しているとする非難まで掲載された。法に則った正当な手続きさえも「従北(朝鮮)」と主張するとんでもない扇動だ。まるで国家情報院の機関誌のように、その主張を代弁する姿も見苦しいものだが、裁判所の決定さえ平然と無視する国家情報院の傍若無人な行動には懸念を抱かざるを得ない。

 集団脱北をめぐる疑惑は国家情報院自らが招いたものだ。政府は、従業員らが入国した翌日の4月8日に緊急記者会見を開き、彼女らの入国事実と身元情報を公開した。北朝鮮当局がそれが誰であるのか分かっていたはずだから、脱北者の人権や北朝鮮の家族の安全は最初から無視された。十分な調査もせずに、異例のスピードで公開したため、4・13総選挙を狙ったとする疑いをかけられても不思議ではなかった。勤務地を離れてから2日後に入国したのも、国家情報院の介入なしには不可能であり、「企画脱北」の疑惑を呼んだ。北朝鮮が「韓国による拉致」だとして、家族を前面に出した国際的な世論戦を繰り広げられたのも、このような事情があったからだろう。

 にもかかわらず、国家情報院は、これまで詳細な経緯の説明も、これといった対応もなく、ひたすら脱北従業員を隠しているだけだ。国家情報院の北朝鮮離脱住民保護センターで2カ月間の調査受けてから、ハナ院で韓国に定着するための教育を受けることが一般的であるが、彼女らだけはハナ院に送らず、定期的に脱北者を面談してきた国策研究機関の統一研究院の研究員による調査要請も拒否したばかりか、今度は従業員の法定への出席まで阻止した。何かやましいことでもあるのか、どうして徹底的に外部と遮断するのか、その理由が聞きたい。

 裁判所が脱北事件で人身保護救済の請求を認めたのは、法の死角地帯だった国家情報院の脱北者管理に変化をもたらすきっかけになるかもしれない。「企画脱北」疑惑がなくても、国家情報院は以前にも脱北者をスパイにねつ造した事件を起こしていた。国家情報院は「従北攻勢」の陰に隠れようとするのではなく、今からでも疑惑の解消に努めるべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:6月21日(火)22時2分

ハンギョレ新聞

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。