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集団脱北の北朝鮮レストラン元従業員、ハナ院に送らず隔離継続

ハンギョレ新聞 6月21日(火)8時12分配信

北朝鮮離脱住民保護センターで6カ月収容予定
通常は1~2カ月、異例の措置

国情院、統一研究院研究者のアンケート調査すら拒絶
21日の裁判所審理にも出席させないことに

 中国浙江省寧波市にある北朝鮮のレストランから4月初め「集団脱北」し、現在、国家情報院の北朝鮮離脱住民保護センター(旧合同尋問センター)に70日余り滞在している、男性支配人1人と女性従業員12人を、政府が北朝鮮離脱住民定着支援事務所(ハナ院)に送らない決定をした。一般的な脱北者の定着支援の過程と異なる措置だ。また国家情報院は、首相室傘下の統一研究院所属の北朝鮮人権研究者による13人に対する面談申請を慣例を破って断り、郵便配達人の裁判所関連書類の伝達まで2度も拒否するなど、徹底して外部との接触を遮断していることが分かった。

 国情院関係者は20日、「13人の北朝鮮レストラン従業員をハナ院に送らず、北朝鮮離脱住民保護センターで6カ月間収容することにした。定着教育も保護センターで受ける」と明らかにした。国情院と捜査機関は、脱北者を最長6カ月まで保護センターで合同尋問できるが、これは偽装脱北やスパイ容疑などが疑わしい場合がほとんどだ。多くの脱北者は1~2カ月保護センターで取り調べを受けた後、統一部傘下のハナ院に送られ、12週間の韓国定着教育を受けることになる。今回の13人は、すでに政府が「集団脱北」と公開しているため、合同審問を70日以上行う理由はない。ハナ院関係者は4月下旬に「北朝鮮レストラン従業員の13人は、6月初めに保護センターを出てハナ院で定着教育を受けるようになるだろう」と話していた。

 彼らを保護センターに6カ月間収容するのは、異例な集団脱北の公開に伴う「企画脱北」の疑惑拡散を防ぐため、外部との接触を遮断しようとする狙いがあるというのが多くの専門家たちの観測だ。例えば、国情院は今月初め、国策研究機関の統一研究院・北朝鮮人権研究センターによる13人に対するアンケート調査の要請も断った。統一研究院は隔週で保護センターの脱北者たちを面談調査するなど、年間200人程度を調査してきた。

 これに先立ち国情院は、「民主社会のための弁護士会」(民弁)が裁判所に提出した人身救済の請求書副本を、裁判所の命令により配達員が女性従業員12人に直接送達しようとする試みさえ、5月30日、2度にわたり拒否した。担当の配達員は翌日、国情院の連絡を受けて請求書副本を12人に伝達することができた。この時も国情院関係者は、配達員に「従業員たちに関して口外するな」と要求した。

 国情院は21日、ソウル中央地裁で開かれる非公開の人身保護救済の審理にも13人を出席させないことにした。国情院関係者は「13人の代わりに訴訟代理人を法廷に出席させることにした」と話した。国情院は人身保護救済の関連訴訟代理を法務法人「太平洋」所属の弁護士3人に任せる異例の措置をとっている。

 政府と国情院は、彼らを非公開法廷に出席させない理由として、北朝鮮の家族の「身辺安全」を挙げている。しかし、政府が自ら脱北者の非公開原則を破り、集団脱北を直ちにメディアに公開した事実を考えれば、説得力に欠けるとする指摘が多い。脱北者支援団体のある脱北者は「入国3カ月になっても非公開の法廷に送らないということは、企画脱北の疑惑を隠そうとする動きと見るしかない」と話した。

キム・ジンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:6月21日(火)8時12分

ハンギョレ新聞