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ライチョウの卵4個富山に ファミリーパークで人工飼育

北日本新聞 6月21日(火)23時53分配信

 環境省は21日、国の特別天然記念物で絶滅危惧種「ニホンライチョウ」の人工飼育に向け、卵8個を乗鞍岳(長野県、岐阜県)で採取し、富山市ファミリーパークと大町山岳博物館(長野県大町市)に4個ずつ運び入れた。飼育2年目のことしは、今月上旬に上野動物園(東京)へ運んだ4個と合わせ、昨年より2個多い12個を採卵。ふ化は今月末ごろとみられる。

 採卵は産卵期と抱卵期に分けて行い、昨年は産卵期の5個を上野、抱卵期の5個をパークで飼育。上野は全滅し、パークの雄3羽が無事成長している。今年は雌の確保と飼育技術の確立に向け、ニホンライチョウの飼育経験のある大町山岳博物館を事業に加え、採卵数も増やした。

 午前7時半ごろから環境省とパーク、博物館の職員、乗鞍岳でライチョウを研究する中村浩志信州大名誉教授らが乗鞍岳山頂付近に向かった。ハイマツの茂みにある巣に近づき、雌が離れた間に素早く卵を採取。湯たんぽともみ殻で温めた運搬容器に入れ、車に戻って携帯用ふ卵器へ移した。午前11時までに4つの巣から2個ずつ計8個を集めた。

 パークに運ぶ4個の採取は午前8時40分に終了。飼育員の堀口政治さんは「緊張している。昨年の経験を踏まえ、より良い飼育ができるよう頑張りたい」と意気込んだ。

 午後0時20分、車がパークに到着。堀口さんは携帯用ふ卵器を両手で持ち、ライチョウ舎へ慎重に運び込んだ。卵4個のサイズや重さを測定し、長径45ミリ、短径30ミリほど、重さ20~24グラムであることを確認。温度37・6度、湿度50%に設定したふ卵器に入れた。作業を見守った山本茂行園長は、雄しかいない現状を踏まえ「雌であってほしい。ふ化、ひなの飼育にぜひ成功して、来年春には人工繁殖に臨みたい」と話した。

 国は保護増殖事業計画の一環として、比較的数が安定している乗鞍岳の卵による人工飼育に取り組んでいる。飼育技術の確立後、減少が顕著な南アルプスの卵でも繁殖させ、野生復帰の体制を整える。

北日本新聞社

最終更新:6月21日(火)23時53分

北日本新聞