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高速船、運航を休止 世界農業遺産、珠洲-佐渡を結び9年

北國新聞社 6月21日(火)2時48分配信

 珠洲市飯田港と新潟県佐渡市の小木港を結んで9年前に始まった高速チャーター船の運航が、今年は実施されないことが決まった。運航していた力屋(りきや)観光汽船(佐渡市)が、乗客数の伸び悩みを理由に休止した。能登の関係者は、世界農業遺産の認定地である能登と佐渡を結び、新たな観光ルートを生む手段として期待していただけに、落胆を隠せない。

 高速チャーター船の運航は2007年7月に始まった。姉妹都市だった新潟県の旧小木町(現佐渡市)と珠洲市の交流拡大を目指し、同社が計画した。

 佐渡島の沿岸観光で使われていた高速船「あかしあ」(64人乗り)を使い、07~13年は年1~3往復が不定期運航された。15年の北陸新幹線金沢開業や、直江津港(新潟県上越市)と小木港を結ぶ新型高速カーフェリー就航を控え、14年から珠洲市や佐渡市は、集客面などで協力する社会実験として、増便を後押しした。

 珠洲市によると、14年の社会実験では、10往復運航し、398人が乗船した。能登半島広域観光協会も同汽船と連携し、高速船を使ったツアーを行って、新潟、佐渡、能登、金沢をつなぐ周遊観光の振興を図った。

 しかし15年の社会実験では、利用者不足や悪天候による欠航が続き、当初見込んでいた36往復はかなわず7往復しか行われなかった。乗客も238人にとどまり、採算が取れなかったことから、同汽船は「客足が伸びず、やむを得ない」として、今年は運航しないことを関係者に伝えた。

 運航を支援した珠洲市の担当者は「波が少し高くなると欠航するなど、船体の問題もあったと聞く。残念でならない」(企画財政課)と肩を落とした。能登半島広域観光協会は「世界農業遺産や観光での交流を絶やさぬよう、能登と佐渡にまたがる旅行需要を今後も探りたい」との方針を示した。

北國新聞社

最終更新:6月21日(火)2時48分

北國新聞社