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“名古屋の秋葉原”大須・仁王門通商店街 若手絵画展の新たな試み

THE PAGE 6月22日(水)12時0分配信

 愛知県名古屋市最大の商店街「大須商店街」。神社仏閣や老舗店舗という伝統格式あるものからサブカルチャー、トレンドファッション、アイドルまでが共存し“名古屋の秋葉原”とも称され、約1200の店舗と施設が立ち並ぶ。その中の通りの1つ「仁王門通商店街」で、新たな試みとなる、無償で若手作家に会場を貸す絵画展が、22日まで開かれている。市内外から多くの人が訪れる仁王門通商店街が、絵画展であらためてターゲットにしたのは地元の人。実現の裏には、商店街の若い職人の思いがあった。

苦労に心痛めた若手職人 「作家を応援しよう」

 絵画展を企画したのは、仁王門通商店街にある手焼きせんべいの老舗・朝日軒の職人、伊與田聖也さん(27)。絵画鑑賞が好きで、気になる絵画展があれば市内を中心に足を運ぶ。そんなある日、いつも通う飲食店で、作家で今回の出展者の1人、柴田遼さんと出会った。そこで聞いたのは、数万円で場所を借りて作品展示していることなど、発表活動の苦労だった。人通りの多い場所にあるギャラリーは、場所代が高額になるという現実も知り「うちの商店街が主催して展覧会を開けば、場所を無料で貸せる。苦労している作家を応援しよう」と一念発起。商店街主催の展覧会を開くことにした。
 そもそも、同商店街を含む大須商店街は、娯楽、買い物、歴史散策など、街の楽しみ方はもちろん、年齢性別国籍を問わずアンダーグラウンドなものからメジャーなものまで、さまざまな文化を受け入れたり、取り込んだりしている。このため通常、展覧会を開くという場合は、作家側から希望が商店街に寄せられて、有料で場所を貸すのがほとんどで、商店街側から展覧会開催を作家に持ちかけるのは、異例のことだった。

商店主協力の小さな企画 地域交流促進につなげる 「地元をよくしたい」

 伊與田さんは、商店街として街に人を呼び込むのはもちろん、地元住民との交流を図る必要性も感じていた。「園児や小学生を送り迎えする人たちがふらっと立ち寄って、商店主とコミュニケーションがとれたら」―。さまざまな思いが重なって浮かんだ企画を、商店街の理事会に提出。実施準備などに予算がついた。
 提案を聞いた仁王門通商店街振興組合の小野章雄理事長(67)は「新しいことはやってみないとわからない。若者が思いを込めて企画したのだから、やってみなさいということでゴーサインを出した。成果は1を得るか100を得るか分からないが、次につながっていけばいい」と期待した。

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最終更新:6月22日(水)12時0分

THE PAGE