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「どこ?八重瀬(やえせ)」 自虐コピーで魅力伝える沖縄の町

沖縄タイムス 6/22(水) 18:38配信

 沖縄県八重瀬(やえせ)町が旧東風平町と具志頭村の合併で始まってことしで10年になった。豊かな自然や史跡、民俗芸能の根差す地で、4月からは観光振興課を発足させてPRに力を注ぐ。また、県有数の農業地帯で、地元の野菜や果物を使った特産品づくりも進める町の姿と思いを紹介する。(南部報道部・堀川幸太郎)

 「どこ? 八重瀬」。現在40代の町職員は2012年秋、役場の若手らとノミニケーションしながら書き留めた。「一言で言えば、現状はこうだよなあ」
 町は東の南城市におきなわワールド、西の糸満市に平和祈念資料館など大きな観光地があり、町南部の国道331号が結ぶ。が、町を訪れる観光客数に波及している実感はない。埋没感もある現状を踏まえて知名度アップを図ろう-と「どこ? 八重瀬」のキャッチコピーが誕生した。
 コピーはロゴになって13年3月、町の観光ガイド冊子の表紙に初登場。「自虐的すぎないか」と役場でも波紋を広げたが、現在は町のPR車やイベントでボランティアらが着るシャツなどに使われ、浸透している。
 冒頭の40代職員は「そろそろ『ここ! 八重瀬』としないといけないなあ」と言った後に付け加えた。「でも急ぐと地域を壊す。ゆっくりで構わないと思う」
 町は15年度、町内八つの景勝地を「八重瀬八景」と銘打って観光地として売り出し始めた。その一つが村落獅子で最大最古の県有形民俗文化財「富盛の石彫大獅子」だ。
 地元の富盛集落から、観光客の車が道に止まって通りにくいと苦情が出たこともある。町は公民館に町歩きマップを置いて横の駐車場に客を誘導するなど、600世帯1590人(5月末)の静かな暮らしを守ろうと気を配る。
 富盛で生まれ育った前区長、野原康豊さん(62)は子どものころ、学校帰りにまだ草が生い茂っていた大獅子近くで探検ごっこをした思い出がある。「町と二人三脚でのどかな魅力を伝えることができれば一番いい」と話した。

最終更新:6/24(金) 19:47

沖縄タイムス