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真相究明責任果たせ 東電の溶融隠蔽

福島民報 6月22日(水)11時8分配信

 東京電力の広瀬直己社長が福島第一原発事故当時の社長指示による「炉心溶融の隠蔽(いんぺい)」を認めた21日、福島県民や原発立地町の首長からは「組織的な情報隠しだ」と東電の体質を厳しく問う意見が相次いだ。当時の首相官邸からの指示を推認した第三者検証委員会の報告を「そのまま受け止める」とし、追加調査をせず幕引きをするような対応には、真相究明を続け説明責任を果たすべきだとの声が上がった。
 「怒りを通り越してあきれるしかない。原発事故前から一貫してうそで固められているじゃないか」。事故後、南相馬市から福島市に移り住んだ元教諭山崎健一さん(70)は広瀬社長の謝罪をテレビで見て憤った。
 長年、東電に不信感を募らせてきた。原発の自主点検で損傷を隠していた平成14年の「トラブル隠し」など、原発事故前からの隠蔽体質を指摘。調査や検証を続けるよう求め「本当に反省しているのならば、福島第二原発をすぐに廃炉にすべきだ。ここで幕引きは許さない」と言い切った。
 帰還困難区域に指定されている葛尾村野行地区から三春町の狐田仮設住宅に避難している高野昭男さん(83)は「健康被害が出るかもしれない状況で事実を隠すのは人間として許されない」と東電の不誠実な対応に怒りをにじませた。
 東電本店での記者会見には広瀬社長、姉川尚史常務が臨んだ。第三者委報告書が推認した清水正孝社長(当時)による「溶融の言葉は使うな」との指示を巡り、首相官邸の関与などに質問が相次ぎ、会見は約2時間に及んだ。
 風評で苦しむ猪苗代町の猪苗代湖畔に面した「レイクサイドホテルみなとや」社長の渡部英一さん(64)は「国も東電も同じ隠蔽体質だ」と糾弾した。

福島民報社

最終更新:6月22日(水)12時27分

福島民報