ここから本文です

米国の対日冷延AD調査、ITCがきょう最終決定

鉄鋼新聞 6月22日(水)6時0分配信

 米国国際貿易委員会(ITC)は現地時間のきょう22日、日本と中国から輸入される冷延鋼板に対し、アンチダンピング(反不当廉売=AD)調査の最終決定を下す。米ITCによる対日冷延AD調査は、過去3回は被害なしとする「シロ」判断を得てきたが、今回は従来以上に厳しい情勢で、4度目のシロ決定を得られるかは予断を許さない。

 今回の冷延ADは、昨年7月に米ミルが日中のほか韓国、インド、ロシア、ブラジル、英国、オランダの8カ国を対象に提訴したもの。のちオランダのみ数量が僅少として除外されたが、7カ国については調査を続行。うち先行して日中の2カ国にはきょう、他の5カ国は8月にITCが最終決定を下すことになっている。
 AD税率を算出する米商務省は5月に日中の冷延に対して最終決定を下しており、日本には71・35%、中国には265・79%もの高率マージンを設定した。ITCが「シロ」決定を下せばこれは適用されないが、そう楽観はできない。
 5月にITCが開いた公聴会には、日本の高炉メーカーも出席。日鉄住金物産が出資するブリキメーカー、オハイオ・コーティング(OCC)も冷延ADの適用対象にブリキ原板のローモが含まれているとあって、ユーザー側の主張として適用に反対した。
 一方、公聴会には例年以上に多くの政治家が押し寄せ、米ミルを応援する姿勢を鮮明に示した。先の米中戦略経済対話では鉄鋼の過剰能力がテーマに上がるほど鉄は熱いテーマになっており、加えて今年は大統領選挙の年。通商措置では厳しい態度がとられやすい不利な空気がある。
 対日冷延AD調査は1990年代に2度、00年代に1度行われ、いずれも「シロ」となった過去の判例は今回もITCが参考にするとみられている。
 ただ連邦巡回控訴裁判所(CAFC)まで持ち込まれ「シロ」が最終的に確定した05年の前回結果から10年強がたち、市場の構造も変化。日本の対米輸出はさほど変わっていないが、中国の鋼材輸出が飛躍的に増えたことで各国が神経質になり、係争にも巻き込まれやすくなっている。4度目となる今回の冷延AD調査が「シロ」となるか「クロ」となるかは、今の世界鉄鋼市場の風潮を示す一種の試験紙となる。

最終更新:6月22日(水)6時0分

鉄鋼新聞

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

地球外生命を宿しているかもしれない1つの惑星と3つの衛星
地球外にも生命はいるのでしょうか?NASA(アメリカ航空宇宙局)の惑星科学部門の部門長であるジェームズ・グリーンと一緒に、地球外生命を宿していそうな場所を太陽系内の中で探してみましょう。 [new]