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あなたはアリ?声を出して映画を観る“応援上映”、増えるトラブル

dmenu映画 6/22(水) 21:00配信

アニメ映画『KING OF PRISM by PrettyRhythm(キング・オブ・プリズム バイ プリティーリズム)(以下、キンプリ)』の大ヒットから、“応援上映”に注目が集まっています。こちらは一言でいえば、“声を出してOK”の上映形式のことで、観客たちは登場人物たちのセリフに合いの手を入れるなどして、まるでアイドルのコンサートのように映画を楽しみます。ですが、この応援上映をめぐり、各地でトラブルも起こっているようで…。

■ファンの合いの手も楽しみのひとつ

『キンプリ』(監督:菱田正和)は、男性アイドルをテーマとした今年1月より公開されているアニメ映画。小規模公開からスタートしたにも関わらず、口コミで話題をよんで上映館を増やし、ロングラン上映中。興行収入は約6億円を記録したというヒット作です。

『キンプリ』がこれだけのヒットを飛ばしている要因のひとつに、“応援上映”の存在があります。観客はペンライトを持ち込んだり、コールを入れたり、劇中のライブシーンを本当のアイドルのライブのように楽しむことができるのです。また字幕のセリフを読み上げることで、キャラクターたちとラブラブな会話をしている気分が味わえたり…。

応援上映では「他のファンが何を言うか?」というのも楽しみのひとつ。自分の隣に座ったファンの、キャラのセリフに対する返しが面白くて、つい笑ってしまった…なんてことは、応援上映では珍しくありません。応援上映は同じ映画でも毎回何が起こるかわからない。ただ映画を見るのとはまた違う、観客が能動的に映画に関わっていくという新しい体験を与えてくれました。

■応援上映と知らずに入ってトラブルに

アニメ映画界ではもともと“絶叫上映”という声出しOKの上映イベントが行われることがありましたが、このたび『キンプリ』応援上映が話題になったことで、また一気に“声出しOK”という形式への注目度が高まりました。公開中の映画『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』でも実施されています。応援(絶叫)上映は近年ではアニメ映画以外にも波及しており、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でも開催されました。また少し前には『アナと雪の女王』で、キャラクターたちと一緒に観客も歌える回が用意されましたね。

ただこの応援上映を始めとした“観客たちも~”系の上映形式について、ネット上でトラブルも報告されています。「そういう場だと知らない客に逆に注意されてしまった」、「そういう場だと知らずに行って映画を楽しむことができなかった」などなど。

応援上映というものは、注目が集まっているとはいえ、まだ完全に世間に認知されているとはいえません。こういったトラブルで問題があるのは、「そういう場だと知らずに行った客」ではなく、「そういった場だと観客全員に事前に伝えきれなかった映画館」の側でしょう。

また自由に声を出したり、コスプレをすることが許されている場といえども、いえ、だからこそ、ファンは“一線”をきっちり守ることが求められます。神奈川・チネチッタ川崎では、ファンの迷惑行為により『ラブライブ!The School Idol Movie』応援上映が中止されました。SNSでの報告によると、映画とは直接関係ないネタで大騒ぎする観客が一部いたようです。

応援上映により、映画が「その日、その時だけしか見られないものがある」イベントと化し、その結果、同じ映画に何度も通うファンが増えました。応援上映には、不況にあえぐ映画界を救うヒントが詰まっていそうです。それゆえに、映画館側の伝達不足や一部のマナー違反により、応援上映という文化が衰退してしまうのは大変もったいないことです。業界全体で応援上映を盛り上げていき、映画界が活性化していくことに期待します。

(文/原田美紗@HEW)

最終更新:6/22(水) 21:00

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