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原宿駅に新たな改札口を設け、加算運賃にしてはいかが?

ニュースソクラ 6/22(水) 11:50配信

鉄道会社に適正な利潤で利用者にメリット波及

 JR東日本の原宿駅建替え計画に「壊さないで」の声が多い。

 多くの人に親しまれた木造駅舎を単純に近代的な建物に置換えるのは残念だ。渋谷駅や横浜駅その他、大正期に建設された素晴らしい駅舎の大半は既にない。原宿駅の現駅舎はぜひとも使い続けて後世に伝えたい。

 とは言え、ホームとコンコースは狭く、トイレは小さく、週末を中心としたあの混雑は解消したい。そこで、前回「原宿駅を建て替えせず混雑解消」を提案した。

 JR東日本の計画と同様に、ホームは2つとし、外回り専用ホームの中程に表参道口と結ぶ跨線橋、北寄りに竹下口と結ぶ地下通路を設ける。その上で、現行施設は使い続け、両ホームの南端と線路上の神宮橋を階段と通路で結び、改札口を新設する。トイレは外回りホーム上に増設する。それらにより流動が分散し混雑を解消できる。現駅舎を残せる上に、工事費を大幅に減額できる。

 20世紀は人手で改札していたので、改札口を集約せざるを得なかったが、自動改札が普及した21世紀では、遠隔監視カメラと組合せて改札口を無人とできるので、改札口を小ぶりにして分散できる。それにより、既存の改札口やコンコースの混雑を緩和でき、多くの人の徒歩距離を短くできる。

 写真の箇所にエレベーターやエスカレーターを設置するには、明治神宮側の小山を削り、神宮橋を改修し、線路を振り、ホームを拡幅し、上空にコンコースを設けと大掛かりな工事となる。そこで、バリアフリー設備は省略し、節減できる費用は他駅への改札口増設に投じた方が得策だとも提案した。バリアフリー設備が必要な方には今のルートを使って頂く。

 さらに、今後、改札口増設を各駅に広めるために別の提案をしよう。新改札口加算運賃だ。

 京急・京成の空港延伸区間、京王の多摩ニュータウン延伸区間では、多額の工事費を賄うために通常運賃に10~170円が加算されるのと同じ考えだ。新改札口加算運賃を払いたくなければ今の改札口を使えばよいので、むしろ選択の自由がある。普通きっぷ20円、1ヶ月定期600円程度を想定する。

 1987年の国鉄の民営化の目的は、民間活力により良質な交通サービスが提供されるようになることだった。民間活力の源泉は利潤であり、違法あるいは公序良俗に反さない限り、鉄道会社は堂々と利潤を追求すべきだ。

 利潤追求の前提は顧客満足と社会貢献であり、利用者や社会に役立っていると評価されてこそ利潤を得られる。各駅へ改札口を増設しても利用者は大幅には増えないが、付加価値の向上に応じた価格とできれば利潤を得られる。20円の加算運賃で次々と改札口が増設されるなら、社会に受入れられるのではないだろうか。立地条件の良い小ぶりな新改札口に利用者が集中することも防げる。

 もう少し大きな話として、駅増設にも当てはまる。目前に線路がありながら最寄り駅まで徒歩20分、ましてやバスを使っていたのが、徒歩3分の場所に新駅ができれば50円加算でも非常にありがたい。払いたくなければ今の駅を使えばよい。

 その際、改札口増設と同様に極力安上りとする。踏切または立体道路の近くで、橋上駅舎も跨線橋も設けず、上下線のそれぞれ脇にホームと小さな改札口を設ける。用地買収と工事費で10億円、加算運賃の平均40円で試算すると、1日数千人の利用で成立つ。多くの箇所で充分にあり得る数字だ。

 発想の転換で、既存の鉄道インフラを有効活用し、鉄道会社は適正な利潤を得つつ、利用者と社会に大きなメリットをもたらす。原宿駅舎の存続論議が前向きな取組みにつながることを願っている。

阿部 等 (交通コンサルタント会社「ライトレール」社長)

最終更新:6/22(水) 11:50

ニュースソクラ