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ゲームに触発された人工の腕に命を吹き込む

ニュースイッチ 6月22日(水)8時11分配信

義手とゲームと日本

 2015年2月、英国ブリストルのロボット研究家、ジョエル・ギバードは、彼の会社の先進的で比較的手頃な価格の3Dプリンター製の義手をプレゼンテーションするために東京を訪問した。

 ギバードはクラウドファンディングの「オープンハンド・プロジェクト」の発案者であり、プロジェクトが急成長したことから、共同でオープン・バイオニクス(www.openbionics.com)を設立した。

 オープン・バイオニクスの義手は通常3万ドルから10万ドルもする最先端の義手の何分の1かのコストしかかからない。そのうえ、デザインはオープンソースで自由にダウンロード可能だ。

 東京大学で開かれたギバードのプレゼンテーションは、日英間の技術・ビジネスの連携強化を狙いとした駐日英国大使館の年間キャンペーン「イノベーション・イズ・グレイト」の一環で、招待客のみの内輪のイベントとして行われた。

 オープン・バイオニクスはまた、2015国際ロボット展にも出展し、さらに今月初めには、直線ではなく円形軌道のように迂回(うかい)した形で、別の日本とのつながりももたらした。

 大人気を誇るSFテレビゲーム「デウスエクス(Deus Ex)」の世界の未来的な人工装具に触発され、「アダム・ジェンセンアーム」を作ろうと、オープン・バイオニクスは最近になってゲーム開発会社アイドス・モントリオールのデザイナーやアーティストと提携した。

 特徴的な図案が施された手や前腕、登場するキャラクターにちなんだロボット的な機能増強は、標準的な人工装具のデザインとはかけ離れているが、もちろん完全に機能する。写真に示した画像はフィクションの人工装具にかなり似せてあり、本当にカッコいい。

 実はそれこそが重要なのだ。自分用にカスタマイズした楽しい人工装具で、腕を切断した人がより良い経験を伝えるということが。

 では、日本との新しいかかわりは何だろうと思われるかもしれない。まあ、以下のような事情だ。デウスエクスのテレビゲームはアイドス・モントリオールによって開発されたが、同社はスクウェア・エニックスヨーロッパの子会社にあたり、さらにこの欧州の会社は日本のゲーム大手スクウェア・エニックスが100%出資する。

 現在、新しいデウスエクスのアダム・ジェンセンアームを通じてだけ、オープン・バイオニクスは日本と緩い形でつながっているにすぎない。きわめてシンプルだが、世界の200万以上の人工の手や腕のうち日本は数千を製作する本場だとみられることが、この関係をさらに緊密なものにしていくのに十分な理由だと考えている。

文=リノ・J・ティブキー(『アキハバラニュース』エディター)

最終更新:6月22日(水)8時11分

ニュースイッチ

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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