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モンスター・ペアレント扱いされたくない…そうならない方法とは?

ベネッセ 教育情報サイト 6/22(水) 17:00配信

【質問】
ママ友が「子どものことで学校に相談したらモンスター・ペアレント扱いされた」と怒っています。私も子どもの給食のことや友達関係のことなどで学校に相談したいことがあるのですが、モンスター・ペアレントと思われないでしょうか?

相談者・心配っ子 さん (小学2年生 女子)

【親野先生のアドバイス】
心配っ子さん、拝読しました。

保護者として、学校に相談したり要望を伝えたりするのは当たり前の行動ですね。ママ友さんが、モンスター・ペアレント扱いされた理由はわかりませんが、そうならない方法を考えてみたいと思います。
これについては、内容と伝え方の2つに分けて考える必要があります。

1つめの内容ですが、一方的かつ過度に自己中心的な要求、実現不可能な無理難題、良識や法律に反することなどの場合は当然ながら問題があります。
自分の子どものことを思うあまり冷静さを失い、このような内容を押しつけてしまうことのないようにしてほしいと思います。
学校に求めるべき当然のことを求める、我が子のために当然必要な個別的配慮を求める、我が子のためだけでなくほかの子のためにもなる改善を求める、などの場合は問題ありません。

2つめの伝え方ですが、内容的に問題がなくても伝え方に問題があることもあります。
冷静さを失い感情的になり、その結果、相手の話を聞かずに一方的に言いつのる、などの場合は問題があります。
これだと、内容的にはまともなことでも相手に受け入れてもらうことはできません。

内容的にも伝え方にも問題がなければ、モンスター・ペアレントではありません。
ただし、自分は一方的かつ過度に自己中心的と思っていなくても、相手はそう感じていることもありますので、気を付けましょう。これは、人間関係のあるところならどこでも起こり得ることですが……。

内容面での問題として一番多いのは、自分はそのつもりではないのに、結果的には一方的かつ過度に自己中心的な内容になってしまったというケースです。我が子の話をうのみにしたまま行動するとそうなりがちです。
ですから、子どもの話を聞いた時、「本当にそうなのか? 相手には相手の言い分があるのでは?」と考えてみるようにしましょう。

子どもは、自分を守るためのウソを言っているのかもしれません。あるいは、子どもは視野が狭く一面的な見方しかできないことが多いので、ウソをつくつもりがなくても、そうなっていることもあります。
子どもの話にうなずきながら、共感的に聞いていると、子どもはたっぷり話せます。そうすると、得られる情報も増えるので、事実に近付きやすくなります。

でも、そうしながらも、心の中では「これはこの子の言い分だ。相手には別の言い分があるはずだ」と自分に言い聞かせてください。
子どもから情報を得たら、学校に言う前にママ友などに話してどう思うか聞いてみるのもいいと思います。そうすれば、より客観的な判断ができるようになります。
また、聞いてもらうことでガス抜きができ、興奮がおさまり冷静になれます。「三人寄れば文殊の知恵」というとおり、何人かに聞いてもらえば何か知恵が浮かぶかもしれません。

伝え方で一番大事なのは、とにかく興奮して感情的にならないことです。感情的になったら、内容的にはまともなことであっても、相手に受け入れてもらえません。ですから、冷静になって大人の交渉術で臨んでください。
文句を言ってやるとか、クレームをつけてやるなどという感じで臨むのはよくありません。悩みを聞いてほしい、相談に乗ってほしいという感じのほうがよいと思います。
いきなり本題に入るのではなく、まず初めにあいさつや日頃のお礼が必要です。ビジネスでもプライベートでもそうですが、いきなり本題に入る人はいません。

ところが、保護者の中には、「うちの子がこれこれこう言っているんですが、どういうことですか?」と、いきなり本題に入ってしまう人がいます。しかも、たいていの場合、興奮しています。
まず「いつもお世話になっています」などのあいさつをしましょう。さらに、「先生に受け持ってもらってから、学校に行くのが楽しいって言うようになりました。本当にありがとうございます」などのひと言があればさらにいいです。
冒頭でほめられれば、どんな人でもよい気持ちになり心がオープンになります。すると、相手の話を受け入れやすくなります。
こういったことのあとで本題に入りましょう。

この時もう一つ大事なのは、先生の話も共感しながら聞くということです。先生が何か言った時、すぐに「いや、そうじゃなくて……」「でも、ですね」などと跳ね返すような言い方をするとよくありません。これだと、相手は「この人はこちらの話を何も聞こうとしない。一方的なことばかり言って話し合いにならない」と感じてしまいます。
ですから、まずは、「そうですね」「確かにそうです」「なるほどです」などと共感的に聞きましょう。言いたいことを言うのは、共感のあとにしてください。
これなら、相手は「この人はこちらの話もきちんと聞いてくれる。ちゃんと道理がわかっている人だ。一緒に問題の解決ができそうだ」と感じます。

なお、友達とのトラブルについての話なら、「子どもがこういうことを言っています。本人の話だけでは事実はわかりませんが心配です。相手の子どもにも言い分があると思うので、聞いていただけないでしょうか?」などの言葉を入れるといいですね。

さて、ここまで具体的な伝え方を書いてきましたが、そもそも保護者と先生は対立する敵同士ではありません。共に子どものためによい方向を目指して行動する協力者同士です。
問題が大きくなるのは、たいていの場合、コミュニケーションがうまくいかずに誤解し合っているからです。ですから、お互いが冷静かつ共感的に臨むことで、よく話を聞き合うことが本当に大切です。
そうすれば必ず解決方法が見つかりますし、さらには、そのことを通じて「雨降って地固まる」のことわざどおり、以前よりもお互いの信頼が増すということもあります。
そういう意味で、私は「モンスター・ペアレント」とか「ダメ教師」などの言葉も気になります。
こういうレッテルを貼ってしまうことで、お互いをより深く理解しようという気持ちが後回しになってしまいかねないからです。

ここまで触れていないことで大切なことを、あといくつか書きます。

ぜひ、日頃から先生とのよい人間関係をつくっておきましょう。そうすれば、問題の早い段階で気軽にコミュニケーションが取りやすくなります。問題が生じて、そこで初めて関わり合うということになると、お互い身構えてしまいがちです。
先生に伝えたいことがある時、手紙・電話・面談のどれにするかというのも迷うところだと思います。
それについては、関連の記事を参考にしてください。

私ができる範囲で、精いっぱい提案させていただきました。
少しでもご参考になれば幸いです。
皆さんに幸多かれとお祈り申し上げます。

ベネッセ 教育情報サイト

最終更新:6/22(水) 17:00

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