ここから本文です

[コラム]ロッテお家騒動は1.6%対1.4%の争い

ハンギョレ新聞 6月22日(水)22時16分配信

 検察のロッテグループの捜査をめぐり、様々な憶測が飛び交っている。財閥不正の処罰以上の別の意図が隠されているということだ。4・13総選挙惨敗による朴槿恵(パククネ)大統領のレイムダック化を防ぐための政局のサインという観測もあり、検察が家族同然のホン・マンピョ、ジン・ギョンジュンの不正事件に対する批判世論をかわすため、ロッテの捜査を利用しているという疑惑も取り沙汰される。検察に対する国民の不信があまりにも大きく、説得力をもって流布されているのだが、確認する術はない。ただ今回の捜査と関連し一つはっきりしたのは、ロッテのオウンゴールだったという点だ。検察が捜査を進めていなければ、それこそ異常だという誹りを受けかねない。

 ロッテは昨年から、辛格浩(シンギョクホ)総括会長の長男、辛東主(シンドンジュ)元日本ロッテホールディングス副会長と次男の辛東彬(シンドンビン)ロッテグループ会長が、経営権をめぐって泥仕合を繰り広げてきた。財閥グループにおいてオーナー家の経営権紛争は、致命的なダメージとなって戻ってくる。互いに争う過程で内部の不正がそのまま露呈してしまうからだ。かつてのサムスン、現代(ヒョンデ)、韓火(ハンファ)、斗山(ドゥサン)がそうだったし、今度はロッテと暁星(ヒョソン)がそうなった。

 実際に2人の兄弟は、過去1年間、韓日両国で9件の訴訟合戦を行っている。特に辛前副会長は、辛会長が中国事業の損失規模を隠したという理由で訴訟を起こし、裁判過程で1万6千枚の会計帳簿と関連書類を提出した。ロッテの中国投資は、辛会長の秘密資金造成疑惑と関連して検察が捜査に乗り出す核心的なきっかけとなった。このほかにも、辛格浩総括会長の娘のロッテ奨学財団シン・ヨンジャ理事長が「チョン・ウンホ疑獄」に巻き込まれているし、ロッテマートは加湿器殺菌剤の販売で国民の怒りを買った。また、ロッテホームショッピングは、チャネル再承認の審査で虚偽の書類を提出した事実が明るみなり、監査院が検察に告発した。次から次へと不正が明らかになっているのだ。

 不法と不正がこれほどまで積み重なったのは、なんでもできる権限を行使しておきながら責任は負わない皇帝経営によるところが大きい。ロッテのオーナー家のグループ全体の持ち株は2.4%に過ぎないにもかかわらず、複雑な出資構造を通じて、売上高83兆ウォン(約7.5兆円)、社員10万人、韓国の系列会社86社、日本の系列会社36社の巨大グループを支配している。国内の財閥のすべての循環出資94社のうち、71.3%がロッテの循環出資だ。それさえも循環出資禁止・公示制度が導入され大幅に減少した。2014年にはおよそ9万5033社にもなった。また国内系列会社86社のうち、上場企業は8社だけだ。グループの持ち株会社格であるホテルロッテをはじめ、ほとんどが非上場会社であるのが現実だ。10大財閥のうち、持ち株会社が非上場会社なのはロッテが唯一である。外部の監視だけでなく、内部からのけん制もない。元系列会社の役員を堂々と現職の社外理事に任命し、彼らが監査まで兼任するケースもあった。経営トップが間違った決定を下せば、それを阻止しなければならないのが理事会なのに、機械のように賛成票を投じることしかしてこなかった。このような後進的な支配構造の下で、系列会社間の不当な内部取引きや業務の集中割り当て、納入会社の単価引き下げなどが行われ、自然に秘密資金造成疑惑を生むことになった。

 検察の大々的な捜査が進むなか、2人の兄弟は25日、日本ロッテホールディングスの株主総会で経営権をめぐり再び票対決をする。ロッテホールディングスがホテルロッテの大株主であるため、ここで勝利すれば韓日ロッテをすべて掌握することになる。兄と弟のロッテホールディングスの持ち株は、それぞれ1.6%と1.4%。グループの規模を考えれば雀の涙ほどの水準だ。2人の兄弟は今、日本での友好持分を確保するため死活をかけた争いをしている。 企業がどうなろうと、自分こそがグループを手にするという欲でしかない。これがまさに財界5位のロッテが置かれている現実である。

アン・ジェスン論説委員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:6月22日(水)22時16分

ハンギョレ新聞