ここから本文です

富山湾「世界の宝物」 富山のさかなクン 大屋さん(富山中部高1年)

北日本新聞 6月22日(水)21時23分配信

■愛する魚を研究/環境意識訴える

 富山湾は世界の宝物-。富山中部高校1年の大屋進之介さん(15)=富山市水橋辻ケ堂=は海と魚をこよなく愛し、イベントや弁論大会で富山湾の大切さを訴えている。中学時代から地元の漁港に通い詰め、漁師たちとも親しい。高校では生物部に所属し、「さまざまな観点から魚を研究したい」と張り切っている。(文化部・藤木優里)

 先月15日、水橋漁港で開かれた第2回水橋みなと感謝祭。大屋さんはフグの帽子に、自分で魚を描いた白衣を着てステージに立った。まるで、魚や海に詳しいタレントの「さかなクン」のようないでたちで「人々が海に関心を持って、環境を守る意識を高めてほしい」と呼び掛けた。

 感謝祭は、水橋産の魚介のPRと地域のにぎわいづくりのために水橋漁民合同組合が企画した。「進之介が魚を好きなことは昔から知っていた。彼の思いを伝える場を提供したかった」と小池冬実組合長(43)。富山湾をテーマに堂々と語る姿に「立派だった。地元を盛り上げてくれて感謝している」と話す。

 大屋さんは生まれながら持った左腕のハンディをものともせず、勉強や部活動に励んできた。魚に関心を持ったのは小学5年のとき。友人の父から船釣りに誘われたことがきっかけだった。「海は底が見えず、何が出てくるか分からない。わくわくした」。以降、週末になると母の夕子さん(40)と共に水橋フィッシャリーナへ出掛け、海釣りを楽しむ日々が続いた。

 「昔から、興味がある一点にのめり込む性格です」と夕子さん。部屋には魚に関するポスターが壁一面に飾られており、サメのぬいぐるみやフィギュアも置いてある。多いときは水槽で30種類以上の魚を飼っていた。

■漁師に聞き取り
 中学2年のとき「ホタルイカの捕れ高」をテーマに理科の自由研究を進めた。春から夏にかけての3カ月間、毎朝5時に起きて気温を測り、漁港で朝の漁獲量を聞き取って気候とホタルイカ漁の関連を調べた。「漁師さんは少し怖いイメージがあったけど、親切で優しく教えてもらった」と振り返る。

 調査最終日、漁の船に乗せてもらい、出荷には早い稚魚を1匹ずつ丁寧に海に返す漁師たちの姿を目にした。「魚を捕るだけではなく、海洋環境を大切にしていた。胸が熱くなった」。自由研究が終わった後も毎週末に漁港に通い続け、漁師たちとの信頼関係を深めていった。

■弁論大会で賞
 昨年10月には富山市で開かれた第64回学生ユネスコ弁論大会に出場した。県が「世界で最も美しい湾クラブ」に加盟したことを受けて追加された「美しい富山湾」のテーマでスピーチ。「学校の先生が僕にぴったりの題材だと出場を薦めてくれた」。豊かな水を育む自然環境の大切さを訴え、「美しい富山湾クラブ会長賞」を受賞した。

 今は学業優先で釣りにあまり行けないのが悩み。部活ではホタルイカの研究に取り組む。中学のときは明確な答えが出せなかったため、深く学び直したいとテーマを決めた。「将来は学芸員や飼育員、調査員など、魚に関わる仕事がしたい」と目を輝かせた。

北日本新聞社

最終更新:6月22日(水)21時23分

北日本新聞