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船頭の土蔵、ギャラリーに 重伝建「加賀橋立」

北國新聞社 6/22(水) 3:03配信

 加賀市橋立町の重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)「加賀橋立」で、築170年を超す土蔵がギャラリーに再生された。土蔵は赤瓦ぶき、縦板張りで、北前船で栄えた藩政末期の橋立の建築物の特徴を残している。野々市市本町4丁目の小西千賀子さん(68)が10年がかりで整備し、草木染工房も設けた。小西さんは歴史が感じられる場で作品を発表し、にぎわい創出に一役買いたいとしている。

 土蔵は木造平屋、一部2階建てで、延べ床面積は約30平方メートル。基礎には近くの加賀市深田町から運んだ「深田石」が使われている。

 小西さんは藩政期から使われている建具をできるだけ生かして改修し、自作の草木染のストールや小物などを展示した。

 改修には、重伝建の建物対象の市の補助金850万円を活用し、縦長の板を隙間なく張る「縦板張り」が施された外壁は、老朽化していた板を新品に取り換えた。約130平方メートルの染め場と工房も新設し、一帯を「せんの蔵」と名付けた。

 北前船研究会員の津幡一男さん(65)=同市橋立町=によると、土蔵は江戸後期の天保年間(1830~44)に北前船の船頭だった重野権太郎が建てたとされる。1872(明治5)年の橋立大火でも焼けず、母屋などは壊されたが、土蔵だけは残っていた。

 小西さんは、草木染の工房を構えるため、県内で適地を探していた。加賀橋立には染料となるクサギやチガヤなどが群生しており、重伝建の落ち着いた雰囲気も気に入ったことから、土蔵と周辺の土地を購入。モウソウ竹やクズの根を手作業で刈り取って10年がかりで整地した。

 小西さんは今後、土蔵の中などで、教室生と草木染のファッションショーを行うことなどを計画しており「自分の生きがいの場所としたい。来てくれる人にも楽しんでもらいたい」と話した。

北國新聞社

最終更新:6/22(水) 3:03

北國新聞社