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マイナス金利下におけるRMBS投資の可能性

ZUU online 6/23(木) 10:40配信

■はじめに

日銀がマイナス金利政策を導入してから既に4ヶ月が経過する。その間、金利はほぼ一方的に低下し続け、既に期間10年以下の国債はマイナス金利が定着してしまった感がある。期間20年以上の超長期国債はプラス金利を維持しているが、マイナス金利政策導入後の金利低下幅は10年以下の金利よりもむしろ大きく、金利は長短含め全体が大きく低下している。

このような運用環境で絶対収益を確保しなければならない投資家には厳しい状況が続いている。保険、年金基金などマイナス金利下でも一定のプラス収益を契約者に約束している投資家は、少しでも利回りが高く長期安定した投資対象資産を確保しなければならない。

これまで長期で安定した運用利回りを確保するためには、国内債券を中心にポートフォリオを組むことが基本であった。国内債券は利回りが低くても元本は確保されており、更に株式など値動きが激しくリスクの高い資産とは逆相関に働く性質なども加わり、全体の収益を安定させることに大いに役立っていた。しかし、マイナス金利になり元本を確保できないことが確定してしまうのであれば、いくら安定していても投資できない。

そこで、国内債券に代わり安定した一定の利回りを確保できる資産が必要になっている。現状では、本来国内債券に投資されるべき資金の多くは外国債券などに投資されているようである。本稿では、RMBSに長期安定した一定の利回りを確保する役割を期待できないかどうか検討してみる。

■RMBSとは

RMBS(Residential Mortgage Backed Securities、住宅ローン担保証券)とは、住宅ローンを裏付資産として発行する証券のことである。

金融機関が保有する住宅ローンを証券化して投資家に販売する。通常の債券は満期一括償還されるが、住宅ローンは、元利均等、元本均等といった形で分割返済される。そのため、RMBSは毎月償還が発生して少しずつ元本が減少する。更に、住宅ローン債務者は予め決められた返済スケジュールよりも早く、繰り上げ返済する権利を持っている。

期限前返済された資金は投資家に返済(償還)されるため、投資家は予定されていた償還スケジュールよりも早く償還されるリスクを抱える。そのため、投資家は期限前返済リスクを考慮した上で投資しなければならない。このように、RMBSは満期一括償還ではなく分割返済される点、かつ、返済スケジュールが未確定な点が、通常の債券と異なる大きな特徴である。

現在、日本で主に流通しているRMBSは、住宅金融支援機構の発行する債券である。住宅金融支援機構は、金融機関に申し込みがあった住宅ローンを買い取り、証券として発行している。毎年一定の発行量があり、2016年3月末現在で21兆円(旧住宅金融公庫発行分を含む)の額面残高がある。

住宅金融支援機構とは、2007年に旧住宅金融公庫の業務を引継ぎ国土交通省と財務省が所管する独立行政法人である。民間金融機関の住宅ローン供給を支援するための住宅ローン証券化を業務の柱とする。また、民間金融機関では対応困難で政策的に重要度が高いと考えられる災害復興住宅融資なども行う。

近年の住宅金融支援機構の発行する債券は政府保証が付かないが、政府が強く関与しているため経営状態が悪化した場合は、何らかの政府支援も期待される。そのため、住宅金融支援機構が発行する一般担保債券(満期一括償還)は日本国債と同じ格付を取得している。

RMBSは、住宅ローンを裏付資産として発行しているため、住宅ローン債務者の返済が滞ると返済されない可能性がある。しかし、住宅金融支援機構が発行するRMBSには一定の超過担保が設定されている。住宅金融支援機構は、民間金融機関から買い取った住宅ローン全額を証券化して発行するのではなく、通常はその8~9割程度の額面残高のみ発行している。

更に実際に延滞が発生した場合、住宅金融支援機構は自らが保有する他の同種の住宅ローン債権と差し換えたり、延滞債権を引き取り投資家に返済したりすることにより、超過担保が減らないように維持している。このような超過担保構造があるため、住宅金融支援機構の発行するRMBSは、発行体である住宅金融支援機構よりも更に高い格付であるAAAを取得している。

■RMBSのリスク

RMBS(以下、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫含む)の発行するものに限定する。)には様々なリスクが含まれている。第1に、債券が返済されない信用リスクである。これについては先に述べた通り充分な超過担保が付されていること、住宅金融支援機構という非常に信用力の高い独立行政法人が発行していることなどから、実際に債券が返済されないリスクは極めて低いと考えられる。

第2に、期限前返済が不規則に発生するリスクである。RMBSは、予め償還スケジュールが決まっているが、不規則に期限前返済が発生するため、通常はこれより早く償還される。期限前返済が発生すると、その後の利息は受け取れなくなるため、収益は少なくなる。そのため、投資家は予め期限前返済がどのくらい発生するかを予想し、期限前返済が発生しても一定の収益を得られる水準を確保しなければならない。

期限前返済率は主に住宅ローン設定からの経過期間、及び金利変動によって変化すると考えられている。期限前返済は、住宅ローン設定当初は余裕資金が少ないことからあまり発生しないが、時間の経過と共に増えて5年あたりまで増加し続け、その後は安定して推移すると考えられている。

また、期限前返済率は金利変動に応じても変化する。金利が低下すると現在の住宅ローンを解約してより低い金利の新しい住宅ローンに借り換える人が増え、逆に金利が上昇すると借り換える人がほとんどいなくなるためである。そのため、期限前返済率を予想するためには、将来の期限前返済率を想定するプリペイメントモデル、及び将来の金利変動を想定する金利モデルが必要になる。

■RMBS独特の価格変動特性

RMBSには一つ大きな欠点があると言われている。住宅ローンの期限前返済は、金利が低下すると増加し金利が上昇すると減少する傾向がある。これは、金利が低下するとRMBS全体の平均残存期間、及びデュレーションが短くなり、金利が上昇すると逆に(想定よりも)長くなることを意味する。

デュレーションとは、金利感応度と言われ金利変動に対する債券の価格変動率を計るための指標である。債券は金利が低下すると価格は上昇し、金利が上昇すると価格は下落する性質があるが、この性質はデュレーションの長い債券ほど大きい。債券価格が動く最も大きな要因は、通常は金利変動なので、デュレーションは債券のリスク管理において大変重要な指標となっている。

デュレーションは、通常の債券であれば残存期間に近い数値になる。満期前に支払われるクーポン利息等の影響も考慮されるため、金利がプラスであれば通常は残存期間よりも短い数値になる。クーポン利息が発生しない割引債であればデュレーションは残存期間と完全に一致する。RMBSの場合は期限前返済率等も考慮した平均残存期間に近い数値になる。

そして、デュレーションには投資家にとって好都合な性質がある。金利が低下するとデュレーションは長くなり、金利が上昇するとデュレーションは短くなるのである。金利が低下すると債券価格は上昇するが、それと同時にデュレーションが長くなり価格上昇幅はより大きくなる。逆に金利が上昇すると債券価格は下落するが、デュレーションが短くなるため価格下落幅は小さくなる。

どちらも投資家にとって有利な方向にデュレーションが動いてくれる。このようにデュレーションが金利変動に応じて投資家に有利な方向に伸び縮みする性質は、ポジティブコンベキシティーと言われる。しかし、これは通常の満期一括償還債券の場合である。

RMBSは、金利が低下すると期限前返済が増加して全体の残存期間が短くなるため、デュレーションも短くなる。また、金利が上昇すると期限前返済が減少して残存期間が(想定よりも)長くなる。これは通常の債券と逆の性質である。金利低下時にデュレーションが短くなると、価格上昇が抑えられて投資家に不利である。

また、金利上昇時にデュレーションが長くなると、価格下落が加速してこれも投資家に不利である。このようにデュレーションが金利変動に応じて投資家に不利な方向に伸び縮みする性質は、ネガティブコンベキシティーと言われる。

このように、RMBSには将来キャッシュ・フローが未確定な点、デュレーションが通常の債券とは逆に投資家にとって不利な方向に動く点などから、一定のリスクプレミアムを確保することが必要になる。

■RMBSの投資指標

それでは、どのような基準でRMBSに投資すれば良いだろうか。証券投資をする際に最も基本となる指標はリターンとリスク(価格変動率)であろう。通常の債券であれば、リターンは複利利回り、スプレッド(対国債)、リスクはデュレーションといった指標で計測することが多い。

RMBSの場合、これらに該当する指標は、複利利回り(期限前返済率調整後)、OAS(option adjusted spread)、デュレーション(期限前返済率調整後)といった指標になる。そして、これらの指標を計算するためには、期限前返済率を考慮する必要があるため、プリペイメントモデル、及び金利モデルが必要になる。

想定するモデルは様々な種類のものが考えられるため、モデルが違うことによりこれらの指標数値も変動することになる。実際に各社はこれらの指標を独自に開発したモデルで計算して公表しているが、その数値は大きく異なっている(*1)。

複利利回りやデュレーションは、満期一括償還でなくても、将来キャッシュ・フローが分かれば計算することができる。RMBSの場合、将来キャッシュ・フローが分からないが、プリペイメントモデルで想定した通りに期限前返済が発生すると仮定すれば将来キャッシュ・フローを推定することができる。このように期限前返済率が予想通りに発生した(金利が変動しない)と仮定して計算した指標を静的(static)指標と言い、複利利回り、デュレーションなどを計算することができる。

ところが、実際には予定通りに期限前返済が発生するとは限らない。更に期限前返済率は金利変動に応じて変動することも分かっている。そこで、金利モデルを用いて、将来の金利変動シナリオをランダムに複数発生させた場合の期限前返済率の変化を計測し、その平均値が将来の期限前返済率であるとして先と同じ指標を計算することができる。

これを動的(dynamic)指標と言い、OAS(option adjusted spread、金利変動による期限前返済率の変動を考慮した対国債スプレッド)等を計算することができる。RMBSに投資する際にはこのOASを参考にすべきと考えられている。

しかし、プリペイメントモデルにしても金利モデルにしても、全て仮定の話であり、実際にその通りになるかどうか分からない。そのため、OASを通常の債券のスプレッドと単純比較して良いかどうかは慎重に検討しなければならない。

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(*1)日本証券業協会では、RMBSの期限前償還率について、一定の要件を満たす会員より任意でプリペイメントモデル(標準モデル)予想値の報告を受け、集計してPSJ(Prepayment Standard Japan)予測統計値として定期的に公表している。
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■発行時に購入した場合はほぼ確実にプラス利回りを得られる

それでは、何を基準に投資をしたら良いのだろうか。

まず、確実に言えることは、信用リスクが限りなくゼロに近いという前提ではあるが、発行時に100円で購入したRMBSは、償還まで保有すればほぼ確実にプラス収益を得られるということである。RMBSはマイナス金利下にある現在でも発行時はプラスの利回りを確保している。

2016年5月20日に条件決定したRMBSは、100円で発行されクーポン0.36%であった。平均残存期間は期限前返済が全く発生しないと仮定しても約16年(*2)。同残存の国債利回り0.1%よりも26bp高い利回りを確保している。

実際には期限前返済が発生して、平均残存期間がそれよりも短くなることはほぼ確実なので、更に高い対国債スプレッドを確保できるはずである。満期一括償還か、分割返済かという違いはあるが、長期間安定して投資するのであれば、検討の価値は充分にあるのではないだろうか。

次に、既に発行からある程度時間が経過している既発債を見てみる。

現在マイナス金利で推移していることもあり、2016年5月20日現在で既発債は全てオーバーパー(時価単価100円以上)になっている。最も高いものは110円を越えている。このRMBSは、現在購入すると110円であるが償還価格は100円である。償還は毎月発生しており、極端ではあるが購入した翌月に全額償還される可能性もある。

110円で購入したものが、1ヶ月後に100円で償還されると約9%の損失になる。仮にクーポン2.4%だったとしても1ヶ月分の利息が0.2%なので、トータルで約8.8%の損失になる。安定した資産に投資したはずが、大きな損失を被ることになる。

もちろん、これは極端な例であり、過去の事例では翌月に全額償還されたようなケースはない。しかし、可能性はゼロではなく、RMBSはオーバーパーの債券ほど危険性が高いと言える。事前に想定したプリペイメントモデル及び金利モデルで計算した各種指標はオーバーパーのものほど想定が外れた際に受ける影響が大きく注意が必要である。

期限前返済が発生するということは、単に将来の利息収入を得られないというだけではなく、オーバーパーで購入したRMBSの場合は購入価格と償還価格の差が損失として計上される。

額面100円のRMBSを購入する場合もオーバーパーのRMBSを購入する場合も期限前返済率を予想して投資指標を見た上で一定の利回りを確保できるように投資することに変わりはない。しかし、期限前返済率の予想が外れた場合の影響はオーバーパーのRMBSほど大きく、オーバーパーのRMBSを購入する場合はモデルの信頼性などに細心の注意を払う必要がある。

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(*2)住宅金融支援機構は、RMBSの残存額面が10%以下になると、全て償還できる権利(クリーンアップコール)を保有する。超長期のRMBSは高いクーポンで発行されており、ある程度の年数が経過すると同残存の債券に比べると相対的に高いクーポンになる。発行体である住宅金融支援機構にとっては不利な利回りであり、金利が大幅に上昇していない限り通常は権利行使すると考えられる。そのため、ここではクリーンアップコールが権利行使されるという前提で計算している。
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■ネガティブコンベキシティーについて

RMBSには金利が低下するとデュレーションが短くなり、金利が上昇するとデュレーションが長くなる(短くならない)投資家にとって不都合な性質(ネガティブコンベキシティー)があったが、この効果はどれぐらい収支に影響するものであろうか。

通常の債券であれば、金利が分かれば価格は正確に計算することができる。しかし、RMBSの場合、先に述べた通り、金利と価格の関係がモデルに依存してしまう。そのため、計算された価格が実現するかどうか分からない。そこで、過去の金利変動局面で、RMBSの価格が実際にどのように変化したのかを見てみる。

図表5は、縦軸をRMBS価格、横軸を10年国債金利としたグラフである。RMBSの金利(複利)はモデルに依存してしまうため、実際にマーケットで観測された10年国債金利に対するRMBS価格の変動率を計測した。

債券の金利変動に対する価格変動率はデュレーション(及び残存期間)に依存する部分が大きい。デュレーションは時間の経過と共に短くなるので、その影響を排除するため、できるだけ金利変動が大きかった期間の数値を採用した。

住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫含む)のRMBSが最初に発行された2001年3月以降で最も金利(10年国債)が大きく変動したのはVarショックの時で、2003年6月12日から9月2日までの82日間で1.19%上昇している。その間のRMBS価格と10年国債金利の関係をグラフにして2次関数で近似曲線を引いた。

2003年6月12日時点で発行されていたRMBS10銘柄の2次関数の近似式である。x2の前につく係数の符号がプラスであれば下に凸の曲線(ポジティブコンベキシティー)、マイナスであれば上に凸の曲線(ネガティブコンベキシティー)を意味する。また、係数の数値が大きければ大きいほどその曲がり方が大きく、コンベキシティーの影響が大きいということになる。

結果を見ると、発行直後で残存期間の長い5銘柄(第6~10回債)はポジティブコンベキシティー、それより古く残存期間の短い5銘柄(第1~5回債)はネガティブコンベキシティーとなっている。

また、ネガティブコンベキシティーで最も影響(曲がり方)が大きいものは第1回債で、コンベキシティーがパフォーマンスに与える影響(金利と価格の関係が曲線ではなく、直線で推移すると仮定した場合との比較)はマイナス0.84%程度であった。金利が短期間で1.19%上昇したため、価格は7.97%下落したが、そのうち0.84%がネガティブコンベキシティーの影響であったといえる。

更に、通常の債券であれば得られたはずのポジティブコンベキシティーの影響がRMBSでは得られない影響も考慮する必要がある。第1回債のxの前につく係数がマイナス6.0659となっているが、これはグラフの傾き(金利変動に対する価格変動率)を示し、デュレーションに近い値と考えられる。

そのため、デュレーション約6年の通常債券のポジティブコンベキシティーがパフォーマンスに与える影響を同様に計算するとプラス0.22%であった。先のネガティブコンベキシティーの影響と合わせると1.06%となる。つまり、Varショック時にRMBSが被った損失は7.79%であるが、通常の債券であれば6.73%であったと推定され、その差は1.06%ということになる。

しかし、これはVarショック時の、最も影響が大きかったケースである。通常の債券と同様にポジティブコンベキシティーのRMBSもあり、ネガティブコンベキシティーの影響をこのように過大に見積もる必要があるかどうかは、検討しなければならない。

RMBSがネガティブコンベキシティーになったりポジティブコンベキシティーになったりする理由は次の3つが考えられる。

第1の理由は、発行後間もないRMBSは期限前返済率が低いことが挙げられる。RMBSのネガティブコンベキシティーが機能するためには、金利変動に応じて期限前返済率が変化する必要があるが、発行直後のRMBSは期限前返済がほとんど発生せず、金利変動による影響を受けにくい。

そのため、発行直後のRMBSは、通常の債券に近い価格変動特性を有している。Varショック以外の金利上昇局面についても、RMBSの金利変動と価格変動の関係を見てみたが、概ね同様の傾向があることが確認できる。

第2に、金利変動により期限前返済率が変化するには、タイムラグがあることが挙げられる。

住宅ローン債務者は、金利が低下してから借り換えの申し込みをするまでに、一定の時間を要する。また借り換えの申し込みをしても、実際に借り換え手続きが進むには時間がかかる。当社の試算では、金利変動と期限前返済率の変動には、概ね3ヶ月のタイムラグがあった。そのため、金利が短期間で変動した場合、その影響がすぐに期限前返済率に反映されず、価格への影響も限定されている可能性がある。

例えば、異次元金融緩和導入直後の金利上昇局面(2013年4月4日から5月29日までの55日間で0.5%上昇)などは、金利上昇スピードがVarショックほど速くなかった。そのため、直前の金利低下による期限前返済増加の影響を受けやすかったことや、時間経過によるデュレーション短期化効果の影響なども加わり、多くの銘柄がポジティブコンベキシティーの形状になっている。

第3に、金利水準に関係なく、住宅ローンを保有し続ける人たちがいることである。RMBSはある程度年数が経過して期限前返済が続くと、金利に反応して期限前返済する人たちがいなくなり、金利に関係なく住宅ローンを保有し続ける人たちのみが残ると言われている。

つまり、金利が変動しても期限前返済が発生しなくなる。これはバーンアウト効果と言われ、期限前返済がほとんど発生しなくなるので、通常の債券に近い価格変動をするようになると考えられる。そのため、これもポジティブコンベキシティーの形状になる要因である。

このように、RMBSに不利と言われているネガティブコンベキシティーの影響は、必ず現れるものではないため、リスクを過剰に見積もることなく、投資判断することが必要になる。

■おわりに

RMBSには複雑なキャッシュ・フローとリスクを伴うため、慎重に投資判断しなければならないが、マイナス金利下でも一定のプラス収益を確保できる可能性があり、投資を検討する価値は高いと考えられる。信用リスクを心配する必要はほとんどなく、特に発行直後の単価100円近辺で推移しているRMBSは、長期保有を前提にするならば、マイナス金利下においても安全にプラス利回りを確保できる可能性は高い。

オーバーパーのRMBSはモデルにより計算された指標を参考に投資判断するしかない。その際は、モデルにより計算結果が大きく異なるため、モデルの想定が現在の相場環境に近いものかどうかなどを吟味し、充分なスプレッドが確保できていることを確認しながら投資しなければならない。

一方で、RMBSに不利と言われているネガティブコンベキシティーの影響は現れる場合と現れない場合があり、リスクを過剰に見積もることなく投資判断することも必要になる。

千田英明(ちだ ひであき)
ニッセイ基礎研究所 金融研究部 チーフ債券ストラテジスト・年金総合リサーチセンター兼任

最終更新:6/23(木) 10:40

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北朝鮮からの脱出
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