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保育業界「年功序列でトップダウン、前年踏襲をやめるべき」改革のあり方を議論

弁護士ドットコム 6月23日(木)15時50分配信

待機児童問題や保育士不足などについて考えるイベント「緊急招集!保育の問題ってなんなんだ会議」が6月22日、東京都内で開催された。保育士の転職支援を行う株式会社ウェルクス(東京・墨田区)が主催した。イベントには保育園の経営者や現役保育士が登壇し、保育の問題を改善するための対策を議論した。

●「待遇だけ上げても離職率は変わらない」

イベントに登壇した、全国約100ヵ所に保育園や児童発達支援施設を展開する「社会福祉法人どろんこ会」理事長の安永愛香さんは、「保育士の待遇だけ上げても離職率は変わらない」と述べた。

安永さんによると、日本の保育業界には、「年功序列でトップダウン、日本人が真面目すぎるがゆえの前年踏襲型」という特徴があり、「『今までこうやってきたから』というやり方を昭和30年くらいからずっと引き継いでいる」という。その上で、保育士の待遇を上げても、こうした業界全体の傾向を変えなければ、保育士は仕事のやりがいを感じられず、離職率は変わらないと指摘した。

「まずは、『7月は夕涼み会をやるって決まっているから準備しなさい』というトップダウン型の働き方をやめて、本当に子どもに必要なことを現場が考えて動いていくこと。野球型よりサッカー型の働き方にシフトすること。成果に応じた評価制度と賃金制度を徹底して業界に広めること。そして、仕事の価値を自分で語れる保育士を増やすこと。この4つをなしえないと、待遇だけ上げても業界は変わらない」

安永さんによると、「これからは保育の質が肝になる。生きる力がある保育士が背中で教えていくことが必要だ」という。保育士は、上司から言われた仕事をただこなすのではなく、「それぞれの子どもにどんな力をつけて世の中に出してあげたいか、そのためには何が必要かを、自分で考え行動できるようにならなければならない」と強調した。

●現役保育士「手書きの文化はばかばかしい」

第二部のパネルディスカッションには、現役保育士の女性らが登壇。保育士の資格があるのに保育士にならない「潜在保育士」に復職してもらうためにはどうすればいいか、議論を交わした。

現役保育士の大久保優子さんは、「保育業界全体のやり方が古い」と指摘。「以前の職場も今の職場も書類は全て手書きで、10人の子ども全員について同じ『ねらい』を手書きしなければならない。やっていて本当にばかばかしい」と話し、効率化や仕事内容の見直しが必要だと述べた。

また、現役保育士の林今日子さんは、結婚した保育士の中には、自分が家庭を持つことでシフトに入れなくなるから、という理由で仕事を辞める人が多いと話した。「朝7時から夜8時まで、ローテーションでシフトに入らないといけなくなると、自分の子どもを預けられる保育園がなかなかない」として、保育士が自分の子どもを保育園に預けて働けるよう、配慮を求めた。

弁護士ドットコムニュース編集部

最終更新:6月23日(木)15時50分

弁護士ドットコム

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