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“日本警察史上最大の不祥事”を通して人間の生きざまを描いたエンターテインメント/映画『日本で一番悪い奴ら』の綾野剛〈視線の先〉インタビュー

トレンドニュース(GYAO) 6/23(木) 12:16配信

 日本で今、もっともノっている俳優の一人である綾野剛が、『凶悪』で日本映画界にセンセーションを巻き起こした白石和彌監督とタッグを組んだ注目作『日本で一番悪い奴ら』が6月25日に公開する。実在した悪徳警官の26年にも及ぶ壮絶な生きざまを演じきった彼に、その演技への姿勢について聞いてみた。

綾野剛 主演「日本で一番悪い奴ら」劇場予告編>>

■白石監督から次々に出てくるアイディアに感嘆!

――この作品に出演を決めた経緯は?

 僕が日本アカデミー賞の新人俳優賞をいただいた時に、白石和彌監督も『凶悪』で会場にいらっしゃっていて、リリー・フランキーさんに紹介してもらいました。その時に「ぜひ一度ご一緒したいです」という話はしていたので、白石監督から出演依頼があったと聞いて、台本もプロットももらっていない段階で「やります!」と即答しました。

――この映画は実話で、モデルになった方もいらっしゃいますが、その方にお会いしてご自身と役柄との共通点を探したりしましたか?

ご本人にはお会いしましたが、そもそも僕は自分と役を比べるということをしたことがないんです。演じる役の中にまったく自分自身を出すことはありません。あくまでも“綾野剛”は裏方で、演じている役が主役なんです。もちろんアイディアはいろいろ現場に持っていきますが、事前に頭の中で考えて固めてしまうのが嫌なんです。役柄は「ヨーイ、スタート!」から「カット!」までの間に監督やいろいろなスタッフさんたちの考えによって形成されていくものであって、決して一人で作り上げていくものではないんだと思っています。

――主人公・諸星の四半世紀にも及ぶ歩みを演じ分けられましたが、ご苦労などは?

確かに容易ではありませんでした。しかし、ある程度は順を追って撮影していただきましたし、そこは丁寧にやってもらったなという感覚です。優秀なスタッフがそろっていたのでメイクや髪形、衣装の力を借りて気負いなくできました。物語が進むにつれ、役職や関わる人が変わることによって諸星の声のトーンも変わっていくし、姿勢や歩き方も違っていきます。その表現はできたのではないかと思います。

――先ほど、「白石監督の作品だから出演を決めた」とおっしゃいましたが、実際の現場での監督の演出はいかがでしたか?

 いい監督って、持っているアイディアが秀逸ですよね。白石監督はとんでもないセンスの塊みたいな人で、それにひたすらついていった感じです。僕は台本を読んだ時に考えたり悩んだりしても、「こういう風にやろう」とは決めないで現場に行くんです。そうすると、みんなで作り上げていく中で「ああ、こうだよな……」と感じる喜びがあります。白石監督はその喜びを毎日与えてくれました。

――具体的に、それを感じたシーンはどこですか?

 資金がなくなって拳銃を買えなくなった時に(諸星たちは押収する拳銃がない場合にはヤクザに現金を払って拳銃を買い取ることまでしていた)、(中村)獅童さんふんする黒岩が「じゃあ、シャブ(覚せい剤)でもさばくか」と言い出すシーンですね。あそこで監督が「皆さん、綾野さんを高校野球の監督だと思ってください。皆さんは球児です」とおっしゃったんです。そして「この場面は『一緒に甲子園を目指しましょう、監督!』というテンションでやってください」と。もう大爆笑でした(笑)。

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最終更新:6/23(木) 12:25

トレンドニュース(GYAO)

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