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三菱重工のフォークリフト事業のライバル、ドイツ大手が気になるM&A

ニュースイッチ 6月23日(木)14時45分配信

キオンが米物流ロボット会社買収、単品売りから脱却へ

 産業車両世界2位の独キオングループが、物流施設向けロボット大手の米デマティックを買収する。キオンはフォークリフトとロボットを連携させ、倉庫や工場の物流効率化に向けた提案力を高める狙い。約21億ドル(約2200億円)の大型買収は、物流全体のソリューション提供を本格化させることを意味する。業界首位の豊田自動織機を追い上げる格好の材料となるほか、ユニキャリアホールディングスを傘下に収め、世界3位に浮上した三菱重工業グループにとっても大きな脅威となりそうだ。

 車両の単品売りからの脱却―。フォークリフト各社の最近の戦略を象徴する言葉だ。インダストリー4・0やIoT(モノのインターネット)という産業界のうねりは、物流にも確実に浸透しつつある。キオンがデマティックの買収を決めたのも、物流の自動化システムといった高付加価値サービスを1社で囲い込むためだ。

 ニチユ三菱フォークリフトとユニキャリアを傘下に置く三菱重工業。くしくも3月末に、フォークリフト事業、ディーゼル・ガスエンジン、自動車向けターボチャージャー(過給器)の3事業で構成する統括会社「三菱重工フォークリフト&エンジン・ターボホールディングス(MFET)」を設立し単品売りからの脱却を掲げていた。

 MFETの前川篤社長は「ユニキャリアを合わせても、豊田自動織機とは2倍以上の差がある」と認識。差別化戦略を明確にし、上位2社をいかにキャッチアップするかに軸足を置く。

 MFETの強みは、三菱重工の多様な経営資源をフル活用できること。キオンが買収で強化する無人物流や無人倉庫のほか、原子力発電所向けの搬送装置などを上位追撃の切り札に位置づける。

 いずれにしても今回のキオンの動きは、三菱重工にとって大きな衝撃となったに違いない。豊田自動織機も車両搭載の通信システムを利用した稼働管理システムの外販など、ハードとソフトの融合を拡大。次の一手を着実に打っている。

 ユニキャリアの合流で上位を追う切符を手にしたが、競合も成長への手綱を緩めない。MFETにはグループの経営資源の有効活用はもちろん、成長軌道を描くには外部資源の積極的な取り込みも必要になりそうだ。

最終更新:6月23日(木)14時45分

ニュースイッチ

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