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突き付けられた新たな課題 四国IL選抜の次なる術とは?

Full-Count 6/23(木) 20:32配信

キャピタルズ3連戦初戦で勝利し盛り上がったチームだが…

 冒頭に改めて記す。「四国アイランドリーグplus ALL STARS」ケベック・キャピタルズ3連戦初戦の勝利。キャンナムリーグ3連勝は、日本の野球界に与えるインパクトを考えても実に大きなものだった。その理由は日本の野球カレンダーの寸隙を彼らが図らずも付いたからである。

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 整理してみよう。NPBは現在、「日本生命セ・パ交流戦」が終了し、再びペナントレースへ向かう上での小休止中。高校野球も夏の甲子園地方大会は沖縄大会こそ開幕したとはいえ開催ラッシュまでは少し間がある。大学も日米大学野球、社会人も都市対抗野球の話題に移行するまで少し時間を要する。さらに日本を代表する2大独立リーグの1つ、ルートインBCリーグも前期が終了したタイミング。MLBもフロリダ・マーリンズのイチロー外野手がMLB3000安打を達成するまではまだ時間がある状況。野球界は話題を求めていた。

 加えて現在はキャンナムリーグのHPから日本に居ながらにしてライブ中継を見ることもできる環境。と考えれば10人・20人でない人数が「カブキJAPAN」「KABUKI SPIRITS!」の文字に関心を寄せるチャンスでもある。

 では、はじめて四国アイランドリーグplusに関心を寄せた人たちが、このケベック・キャピタルズ3連戦2戦目を見た時、どのような感想を漏らし、次にどのような行動をとるのか。最終的な勝敗は時の運としても、特に序盤にその姿勢を全員が見せることはできただろうか。

 12試合の激戦を通じ「対戦相手」への洞察には格段の進歩がみられている「四国アイランドリーグplus ALL STARS」であるが、そこから一段高いところからみた「対野球界、対世間」への洞察にはまだ課題が残る今回の内容・結果だった。

先発の四戸は2回途中5失点で降板

 現地時間22日19時5分(日本時間23日8時5分)からカナダ・ケベック州ケベックのケベック市営球場で開催されたケベック・キャピタルズとの3連戦2戦目。先発のマウンドに登ったのは北米遠征初登板となる四戸洋明(愛媛マンダリンパイレーツ)である。東京の名門・国士舘高校から高卒で独立リーグの門を叩き、今季は2年目にして前期3勝1敗。防御率2.54。130キロ中盤のストレートとスライダーを投げ分け、ローテーションの一角を立派に守っている。

 ただ、そこは20歳。さらにバッテリーを組む古川大珠(香川オリーブガイナーズ)も岡山・おかやま山陽高卒1年目の18歳。「緊張するな」という方が無理な話である。

 では、周囲がすべきことは何か。先輩たちがこまめに声をかけ、励まし、時に檄を飛ばすことである。ただ、彼らは際立った行動をとれなかった。いつもよりこまめに、ゼスチャーを大きくしてバッテリーを鼓舞することができなかった。

 1回裏、先頭打者が四球を選ぶとすぐに二盗。二ゴロで一死三塁のピンチを迎えると、2013年WBCオランダ代表・2015年プレミア12代表の3番カリアン・サムスは軽々とレフトフェンスの向こうに運ぶ特大の2ラン。2回裏にも四球をきっかけにピンチを招き、バッテリーミスと9番の2ランで3失点。四戸は四球で出したランナーをミスと本塁打2本で返される悪循環により1回1/3、41球で5失点降板。北米遠征初登板は苦い結果に終わった。

 とはいえ、中島輝士監督がこの試合で四戸、古川大のバッテリーをスタメンに抜擢した理由も「カブキJAPAN」のコンセプトを鑑みれば理解はできる。「バッテリーが若いから仕方がない」という固定概念を壊しに行く。同時に、若い2人の活躍を残り選手26人でサポートして、チームの共同作業で事前評価を覆す。6勝5敗と勝ち越し昨年の勝ち数に並んだことに満足せず、新たなハードルを設定する。これもまた「KABUKI SPIRITS!」の精神であるはずだ。

 2番手の嘉数勇人(高知ファイティングドッグス)が登板してはじめて、マウンド上で活気のある声が上がる選手たち。それでは遅い。残念ながら、このような指揮官の意図を汲み取り、かつ冒頭に記した状況も考えながら試合を進める余裕がまだチーム内には不足していたといわざるを得ない。

 結果的にこの5点は、ケベック・キャピタル打線を完全に勢い付けることになった。5回裏、再び3番のサムスにホームランを打たれると、終わってみれば被安打13。うち本塁打5本。11失点。登板6投手中・6番手の岸本淳希(香川オリーブガイナーズ)を除く5投手が計7四死球を与えたことも試合の流れを難しいものとしてしまった。

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最終更新:6/23(木) 20:32

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